2021年度事業方針、事業計画トップ

1.事業方針

2020年に発生した新型コロナウイルスのパンデミックへの対応を通じて我が国の国民の生命と健康を脅かす重大なリスクに対する備えには様々な課題が存在することが明らかとなった。製薬業界としても次のパンデミックに備えるための検討が必要であり、行政やアカデミア、メディア等、様々なステークホルダーとの連携も重要である。
一方、同年12月に決定した薬価の中間年改定の対象範囲と引き下げ幅は会員企業各社にとって極めて大きなダメージであり、今後毎年このような薬価改定が繰り返されると事業運営の予見可能性は損なわれてしまい、日本における医療イノベーションへの各社の取り組みも見直しを余儀なくされている。今回の薬価改定の根拠となった薬価調査の結果を踏まえると流通改善への取り組みをこれまで以上に強化し、適正な市場価格が形成されるよう努める必要がある。あわせて世界の中では日本が有数の新薬創出国であり、それを支えてきた製薬業界の活動や新薬の多様な価値等について、国民レベルでの理解が得られるよう幅広いアドボカシー活動を展開することも重要である。
また、近時の医薬品回収問題は、「医薬品の製造過程において、承認書に記載のない医薬品原薬が混入し、当該医薬品を服用した患者に、重大な健康被害が多数生じる事案」であり、医薬品の品質や安全性に対する国民の信頼を失墜させる深刻な問題である。会員以外の企業が引き起こした問題であっても、製薬業界全体への社会の信頼が大きく損なわる事態として製薬協としても検討し取り組む必要がある。2019年に改正された医薬品医療機器法においても、信頼確保のための法令遵守体制等の整備(業務監督体制の整備、経営陣と現場責任者の責任の明確化等)が求められており、法改正への対応も確実に進める必要がある。
今後、製薬業界が社会・経済発展へ貢献し、国民の生命と健康を守るかけがえのない存在であることを多くのステークホルダーに認めてもらうためには、

  • 難病や希少疾病、AMR等のアンメットメディカルニーズに対応する製品の研究開発への取り組み、
  • 新型コロナウイルスのパンデミックのような有事の際には行政やアカデミアと一致協力して取り組む意思表示、
  • 政府が進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)や2050年カーボンニュートラルの実現への産業界の一員としての取り組み、

なども重要である。

2021年度は、以上のような課題を踏まえて、次の5つの基本的考え方に基づき積極的に活動を展開していく。

  1. イノベーション(革新的な新薬の研究開発)の促進や医薬品の適正使用推進による医療の質の向上、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応
  2. 国際展開、国際協調の推進とグローバルヘルスへの貢献
  3. コンプライアンスの更なる徹底と国民の信頼感の一層の醸成
  4. 製薬産業理解のための広報活動の一層の推進
  5. 新型コロナウイルス感染対策に必要な医薬品の研究開発、コロナ禍にあっても必要な医薬品の安定供給を通じた国民医療への貢献

2.事業計画

2021年度の事業は、1.事業方針に掲げた課題を踏まえた5つの基本的考え方に基づき、各委員会等が作成した実施計画に沿って実施する。以下の(1)~(6)の各項目では、当該項目に関する内容を実施計画の重点事項に掲げる委員会等を記載したが、それ以外の委員会等においても基本的考え方に関連する事業を必要に応じて実施する。また、国内外の様々な状況変化に臨機応変に対応するため、実施計画の内容を必要に応じて修正することは可能である。

  • イノベーション(革新的な新薬の研究開発)の促進や医薬品の適正使用推進による医療の質の向上、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応

    産業政策委員会、医薬品評価委員会、品質委員会、バイオ医薬品委員会、薬事委員会、知的財産委員会、研究開発委員会、患者団体連携推進委員会、くすり相談対応検討会、医薬品政策研究所が取りまとめた実施計画に基づき実施

  • 国際展開、国際協調の推進とグローバルヘルスへの貢献

    国際委員会、ICHプロジェクトが取りまとめた実施計画に基づき実施
    新型コロナウイルス感染拡大の影響で引き続き海外との人の行き来が大幅に制限されると見込まれるため、ウェブ会議システムや電子メール等を効果的に活用して活動する。

  • コンプライアンスの更なる徹底と国民の信頼感の一層の醸成、医薬品医療機器法改正への対応

    コード・コンプライアンス推進委員会、流通適正化委員会、製品情報概要審査会が取りまとめた実施計画に基づき実施
    近時の医薬品回収問題を踏まえた対応についても検討する

  • 製薬産業理解のための広報活動の一層の推進

    産業政策委員会、広報委員会が取りまとめた実施計画に基づき実施
    これまでの活動実績を踏まえつつ、政策決定者、行政、一般国民、メディアに対しても、製薬産業への本質的な理解が深まり、業界からの意見・要望が受け入れられるよう、戦略的・効果的な広報活動を実施できる組織・体制に充実・強化する。

  • 新型コロナウイルス感染対策に必要な医薬品の研究開発、コロナ禍にあっても必要な医薬品の安定供給を通じた国民医療への貢献

    産業政策委員会、医薬品評価委員会、品質委員会、バイオ医薬品委員会が取りまとめた実施計画に基づき実施

  • その他

    事務局が取りまとめた実施計画に基づき実施

    1. 1)
      日薬連及び傘下各団体の業務、責務分担や協会内委員会の連携、業務分担の在り方を引き続き検討し、転換期にふさわしい組織再編を推進
    2. 2)
      勤務環境改善の一環としてITのさらなる活用(テレワーク等)に取り組むとともにウェブ会議システムの効率的な活用をさらに推進

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