日米欧製薬3団体共同声明:
2024年度(令和6年度)薬価制度改革及び費用対効果評価制度改革に関する共同声明

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2023年12月20日
日本製薬工業協会(JPMA)
米国研究製薬工業協会(PhRMA)
欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan)

今般、中央社会保険医療協議会(中医協)において「令和6年度薬価制度改革の骨子(以下「薬価制度改革骨子」という。)」及び「令和6年度費用対効果評価制度改革の骨子(以下「費用対効果評価制度改革骨子」という。)」が取りまとめられました。
革新的新薬の研究開発・安定供給を通じて健康長寿社会の実現を目指す製薬産業の立場から、下記の通り意見を表明いたします。

これまで日米欧製薬3団体は、「イノベーションの推進と国民皆保険の持続性を両立し、患者さんの革新的新薬へのアクセス向上を実現する」ことを基本方針としてきました。そのため、今年度の中医協において「革新的新薬の価値が、新規収載時に適切に薬価に反映される仕組み」と「特許期間中の新薬の薬価が、海外先進国と同様に維持される仕組み」の実現を訴えてまいりました。

今般の薬価制度改革骨子は、日本への早期導入を評価する新たな加算の新設や小児用医薬品の評価が見直され、新薬創出等加算の品目要件も追加されました。また、新薬創出等加算における「企業指標」の撤廃や市場拡大再算定の類似品の取扱いが見直されるなど、革新的新薬の適切な評価を推進するための措置がなされました。これらは、イノベーションの評価・促進という製薬業界のこれまでの主張を踏まえていただいたものと認識しており、ドラッグ・ラグ/ロスを解消するための重要な一歩を踏み出したものであると考えています。そして、日本が患者さんの新薬へのアクセスの改善を可能とするイノベーション重視の国に変貌を遂げる始まりに位置付けられると受け止めています。様々な立場からご尽力いただいた皆様に敬意を表します。
 
一方で、費用対効果評価制度改革骨子においては、画期的な新薬であるが故に市場規模が大きくなる新薬に関し、現行の価格調整範囲を超えた費用対効果評価の活用に向けて引き続き議論を行うことが示されています。これについては、イノベーションを阻害しない適切な制度の検討が必要であるため、引き続き行われる議論の中で訴えていきたいと考えます。

私たちは、革新的新薬を早期にかつ確実に日本に導入することができるよう、イノベーションの適切な評価及び特許期間中の薬価が維持される仕組みの構築とともに、国民をはじめすべてのステークホルダーにとって透明性・納得性の高い制度構築を望んでいます。また、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」で示された課題について引き続き取組みが必要なものもあり、そのためにも今後の薬価制度改革及び費用対効果評価制度改革に関する議論に積極的に参画するとともに、今回の制度見直しの検証に協力してまいる所存です。

以上

団体概要

日本製薬工業協会 (JPMA)
製薬協は、研究開発志向型の製薬企業71社(2023年10月1日現在)が加盟する任意団体です。1968年に設立された製薬協は、「患者参加型医療の実現」をモットーとして、医療用医薬品を対象とした画期的な新薬の開発を通じて、世界の医療に貢献してきました。
製薬協では、製薬産業に共通する諸問題の解決や医薬品に対する理解を深めるための活動、国際的な連携など多面的な事業を展開しています。また、特に政策策定と提言活動の強化、国際化への対応、広報体制の強化を通じて、製薬産業の健全な発展に取り組んでいます。
 
米国研究製薬工業協会(PhRMA)
PhRMAは、世界中の主要な研究開発志向型革新的医薬品企業を代表する団体です。加盟企業は新薬を発見・開発し、患者さんがより長く、より健全で活動的に暮らせるよう努力しています。この10年間で、PhRMA加盟企業の新たな治療法の研究開発に対する年間投資額は2倍以上に増加し、2022年単独でも推定1,010億ドルに達しました。

欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan)
2002年4月に設立されたEFPIA Japan(http://efpia.jp/)には、日本で事業展開している欧州の研究開発志向の製薬企業23社が加盟しています。2022年の加盟各社の総売上高は、日本の製薬市場の売上の約31%を占めています。EFPIA Japanの使命は、“革新的な医薬品・ワクチンの早期導入を通じて、日本の医療と患者さんに貢献する”ことです。EFPIA Japanは日本の医療向上に向けて政策決定者との対話を強化することを目指しています。

お問い合わせ先

日本製薬工業協会(JPMA) 広報部

電話
03-3241-0374
お問い合わせフォーム
https://www.jpma.or.jp/inquiry/

米国研究製薬工業協会(PhRMA) 広報事務局(株式会社ジャパン・カウンセラーズ内)

電話
03-3291-0118

欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan) 広報委員会 アストラゼネカ株式会社 木戸口結子

電話
070-2260-7364

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