新型コロナウイルスの感染症法上の分類の見直しについて
2023年05月08日
日本製薬工業協会
会長 岡田 安史
今般、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、その病原性・感染力・国民への影響・変異の可能性など総合的な判断のもと、感染症法に基づく私権制限に見合った「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれ」がある状態とは考えられないことから、「新型インフルエンザ等感染症(2類相当)」から「5類感染症」へと見直されることとなりました。
流行株のウイルスの特徴を踏まえ柔軟に感染症法上の分類を見直すことはパンデミック以前の国民生活を取り戻すうえで重要と考えています。
一方、5類感染症への見直しにより、これまでの医療提供体制及び公費支援の仕組みが見直されることになりますが、5類感染症への見直し後も感染状況や変異株の発生状況を慎重に見極めたうえで、治療が必要な患者が適切な医療を享受できるよう、医療提供体制の確保などの措置を引き続き講じることが必要と考えます。
製薬協では、今回の新型コロナウイルス感染症のパンデミックで得られた教訓を活かし、2023年2月に「製薬協 政策提言2023【補論】将来のパンデミックに備えて」を公表しました。
5類への見直しとともに国民の感染症の脅威、感染症対策に対する意識が決して薄れることがないよう、次のパンデミックを見据え、平時より長期的・継続的な政策支援が必要です。
感染症の医薬品及びワクチンは、国家安全保障の観点でも不可欠なものです。しかし、感染症は製薬産業にとって事業としての予見性が著しく低い領域であり、同領域の事業存続、産業振興には国による更なる支援等、特別な対策が必要です。
我々は、国民の健康のために、様々な疾患に苦しむ患者のために、将来のパンデミック時のワクチン、治療薬開発を含め、革新的な医薬品およびワクチン開発に対する挑戦を続けます。
以上
参考
製薬協 政策提言 2023【補論】将来のパンデミックに備えて
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