トップニュース 「DIA China 2024」において「JAPANセッション」をPMDA/製薬協共同で開催

印刷用PDF

2024年5月16日~19日に、「DIA China 2024」が中国・蘇州で開催されました。製薬協は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と共同で、5月18日に「JAPANセッション」(90分)を開催しました。

大会バナー大会バナー

はじめに

近年、革新的な医薬品開発がバイオベンチャー等により行われつつある現状において、その開発が日本でも行えるようにしていくことは重要な課題となっています。本セッションは、世界の医薬品開発の環境の変化に対して、PMDAの活動方向性とともに、日本の薬事規制に対する企業からの見方等について紹介することを目的に構成されました。

セッション内容

PMDA執行役員の安田尚之氏による司会・講演のもと、演者として製薬協薬事委員会の柏谷祐司委員長、医薬品評価委員会の中路茂委員長、およびパネリストとして中国医薬品部会※1のKai DING氏(Kyowa Kirin, China)が登壇しました。

  • 1
    研究開発型の日系企業の現地法人からなる業界団体

登壇者 登壇者

司会の安田氏は講演において、PMDAは、2024年度からの新しい中期計画(PMDA第5期中期計画)で目指す方向性として、海外展開を通じて、海外ベンチャー等へのアウトリーチ活動を強化していくことを紹介しました。

柏谷委員長からは、2023年から始まった「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会(以下、薬事規制あり方検討会)」で、過去から続いている薬事規制を検証した内容(国際共同治験(MRCT)参画前の日本人 Phase Iの必要性、オーファン指定制度)について紹介がありました。薬事委員会が2024年2月に報告したPMDAが行う対面助言に対する企業の現状認識のアンケート調査に基づいたメリット・満足度についても説明しました。

PMDA 執行役員 安田 尚之 氏 PMDA 執行役員 安田 尚之 氏

製薬協 薬事委員会 柏谷 祐司 委員長 製薬協 薬事委員会 柏谷 祐司 委員長

中路委員長からは、「薬事規制あり方検討会」の内容より、治験のさらなる効率化(エコシステム)、使用成績調査等のあり方等の紹介がありました。中央治験審査委員会(Central IRB)・市場適正価格(FMV)・標準化された説明文書・同意文書(Standardized ICF)を含む治験手続きの効率化を含めた治験エコシステムを向上させ、日本で治験を進めていくことの有用性について解説しました。

パネルディスカッションでは1つのテーマとして、当局相談制度について話がありました。Kai DING氏からは、日本と中国の当局相談制度を比較しながら、臨床試験計画や申請資料の質の向上による審査プロセスの効率化のためには、当局相談制度をタイムリーに実施することと、官民の交流が重要である旨の意見がありました。

製薬協 医薬品評価委員会 中路 茂 委員長 製薬協 医薬品評価委員会 中路 茂 委員長

中国医薬品部会 Kai DING 氏 中国医薬品部会 Kai DING 氏

終わりに

蘇州のJAPANセッションの会場には、100名を超える方々が参加しており、会場から多くの質問が寄せられました。特に、日本での開発を自社開発で検討していく等の意識もうかがえ、医薬品開発を進めるうえで日本の規制動向・期待が非常に高いものがあることを再認識することとなりました。

最後に、今回の「DIA China」でのJAPANセッション開催にあたり、ご尽力いただいた関係者のみなさんに、この場をお借りして改めて御礼を申し上げます。

会場の様子 会場の様子

(国際部長 刀根 拓也

このページをシェア

TOP