トピックス 「第21回 製薬協フォーラム」を開催

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「製薬協フォーラム」は、医薬品産業に深い関係をもつ各界の代表者と会員会社の代表が一堂に会し、忌憚のない意見交換を行うことによって、医薬品産業に対する理解を深めることを目的に毎年1回開催しています。2022年は、2021年に引き続き講演会のみとなりましたが、11月24日に「第21回 製薬協フォーラム」を経団連会館(東京都千代田区)にて開催しました。今回は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)理事長の三島良直氏に講演をお願いしました。冒頭、製薬協の岡田安史会長の挨拶に続き、以下の講演が行われました。

会場の様子 会場の様子

健康・医療分野の研究開発の振興のためのAMEDの取組について

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 理事長 三島 良直 氏                   

AMEDは、「成果を一刻も早く実用化し、患者さんやご家族のもとにお届けすること」を目指し、医療分野における基礎から実用化までの一貫した研究開発の推進と成果の実用化、そして、研究開発が円滑かつ効果的に行われるための環境の整備に向けて取り組んできました。現在は、2020年度からスタートした第2期健康・医療戦略のもとで、モダリティ等を軸とした6つの「統合プロジェクト」を定め、プログラムディレクター(PD)のもとで、関係府省の事業を連携させ、基礎から実用化まで一元的に推進しています。また、研究分野に関して優れた学識経験や研究開発の実績等を有し、研究開発課題の評価および業務運営に関して見識を有する専門家として、PD、プログラムスーパーバイザー(PS)、プログラムオフィサー(PO)を配置して、一貫したマネジメント機能をもって医療分野研究開発推進計画に沿った研究課題の実施を推進するとともに、研究機関等に対する各種支援活動を行っています。

右画像コメント

特に、医薬品の実用化を推進するためには、創薬標的の探索から臨床研究に至るまで、大学や産業界と連携し、モダリティの特徴や性質を考慮した研究開発を行うことが重要です。このため、AMEDにおいては、医薬品プロジェクトを中心に、モダリティに関する基盤的な研究開発や規制科学(レギュラトリーサイエンス)を推進して、アカデミア等から生み出される革新的なシーズの活用を図り、さらに、さまざまなモダリティに関する技術・知見等を疾患横断的に活用した新薬創出を目指しています。また、創薬デザイン技術や化合物ライブラリー、解析機器の共用等、創薬研究開発に必要な支援基盤の構築に取り組んでいます。

さらに、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対しては、病態解明に向けた基礎研究から、診断・治療等に関連した技術の実用化、治療薬やワクチン開発等、さまざまな研究課題を積極的に支援してきました。「ワクチン開発・生産体制強化戦略」(2021年6月閣議決定)に基づき、ワクチンの迅速な開発・供給を可能にする体制構築のために必要な施策として、「世界トップレベルのワクチン研究開発拠点形成」「国内外治験の充実・迅速化」「薬事承認プロセスの迅速化と基準整備」「創薬ベンチャーエコシステムの底上げ」等に取り組んでいます。さらに、2022年3月には、AMED内に、先進的研究開発戦略センター(SCARDA)を設置し、戦略性をもった研究費のファンディングに取り組むことで、すでに、次のパンデミックを見据えたコロナワクチン等の課題を採択しています。

講演の様子 講演の様子

(事務局長 猪口 時男

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