トピックス 「2022年度(第49回)GMP事例研究会」を開催

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製薬協品質委員会では、2022年度事業活動の一環として、「医薬品品質保証のグローバル対応と製造業者管理の新展開」をテーマに掲げ、「2022年度(第49回)GMP事例研究会」を9月9日に一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)との共催で開催しました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止の観点から、2021年同様に完全オンラインセミナー形式にて開催しました。約800名の参加者を迎え、成功裏に終了しました。

事例発表の演者および当日の運営メンバー(製薬協GMP部会) 事例発表の演者および当日の運営メンバー(製薬協GMP部会)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が依然として終息せず、あらゆる社会活動が制限を受けている状況ですが、製薬企業には高品質の医薬品を安定的に供給するという使命があります。

一方で、この数年は一部の医薬品企業の不祥事に対する行政処分や製品回収等によって医薬品の安定供給に大きな影響が出ており、業界全体として社会に対する信頼回復に向けた改善に取り組んでいるところです。また、行政からは2020年12月11日付の「医薬品の適切な製造管理等の徹底について(薬生監麻発1211第1号 厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)」に続き、2022年4月には「医薬品の品質問題事案を踏まえた製造販売業者及び製造業者による品質管理に係る運用について(2022年4月28日付 薬生監麻発0428第2号 厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)」が発出され、製造販売業者と製造業者の連携による医薬品の品質確保が求められています。

2022年度のGMP事例研究会は、以下のようなプログラム(表1)で開催されました。特別講演として独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)医薬品品質管理部の嘉藤裕樹氏より、「改正GMP省令について —最近の指導事例を中心に—」と題し、改正GMP省令の概要や品質問題に対するPMDAの取り組み等について、解説を交えながら紹介がありました。また、事例発表の部では、製薬協会員会社の協力により、本年度のテーマに関連して、品質保証体制のグローバル対応や製造販売業者による製造業者監査の事例紹介等、計3題の発表が行われました。いずれも各社の経験や工夫された事例について詳細な説明があり、参加者からはオンラインにて40件以上の質問があり、代表的な質問に対し講演後に回答がありました。

独立行政法人医薬品医療機器総合機構 医薬品品質管理部 嘉藤 裕樹 氏独立行政法人医薬品医療機器
総合機構 医薬品品質管理部
嘉藤 裕樹 氏

表1 プログラム
表1 プログラム

今回の特別講演ならびに事例発表は、各社の品質保証レベル向上のために非常に有意義なものとなりました。製薬協品質委員会では、GMP事例研究会、GMP懇談会、医薬品品質フォーラム等を通じた積極的な情報発信に加え、より実践的な話題の提供を行い、製薬業界のさらなる発展に寄与していきます。行政や他団体とも協力し合いながら、品質保証システムの国際化とレベルアップを支援していきます。

(品質委員会 GMP事例研究会プロジェクト 堀 直秀

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