From JPMA 国家戦略としての医薬品産業政策の必要性

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2022年8月30日に「製薬協会長記者会見」を開催しました。今回の会見では、「製薬産業を取り巻く現状と課題認識、その解決に向けた基本骨格」について説明しました。

産業の課題認識として「国家を挙げた産業政策によるイノベーション創出」「製薬産業のビジネスモデルの転換」「薬価引き下げに依存した医療費抑制策」を挙げました。

国家存続と発展の礎となるのは科学技術力であり、ライフサイエンスを最重要分野に位置づけた国家戦略のもと、官民が一体となってイノベーション創出に取り組む必要があります。産業としては、垂直統合型から水平分業型へのビジネスモデルの変化、医薬品のモダリティの変化に対応するため、われわれ自身のビジネスモデルを、予知、予防、発症予測を含めて国民の健康寿命の延伸を支えるべく、ヘルスケアニーズの拡大に応えていかなければならない点を強調しました。

また、会見では、限られた社会保障財源の中、国民皆保険の持続性確保に向けた国民的議論の高まりが重要であることを指摘しました。その一方で、日本国民のみなさんが革新的な新薬に世界に遅れることなくアクセスするためには、欧米先進国に比肩する特許医薬品の成長を実現する市場への転換であり、その実現に資する医薬品の新しい価値評価システム、新しい薬価制度に関する製薬協としての提言内容を説明しました。

国家戦略としての医薬品産業政策、具体的には「国際競争力のある医薬品産業の育成」と「革新的新薬の早期アクセスを実現する市場の形成」が、「国民の健康寿命の延伸」「日本の経済成長」「国家の安全保障」に重要な役割を果たします。この医薬品産業政策を官民一体となって講じることで、われわれ製薬産業は、国家国民にしっかりと貢献を果たしてまいります。


※会長会見の詳細は、製薬協ニューズレター 2022年11月号 No.212号トップニュースをご参照ください。

(2022年8月30日 製薬協会長記者会見より)

日本製薬工業協会 会長 岡田 安史 日本製薬工業協会
会長 岡田 安史

日本製薬工業協会(製薬協)
Japan Pharmaceutical Manufacturers Association (JPMA)

製薬協は、研究開発志向型の製薬会社が加盟する任意団体です。1968年に設立された製薬協は、「患者参加型医療の実現」をモットーとして、医療用医薬品を対象とした画期的な新薬の開発を通じて、世界の医療に貢献してきました。

製薬協では、製薬産業に共通する諸問題の解決や医薬品に対する理解を深めるための活動、国際的な連携等、多面的な事業を展開しています。また、特に政策策定と提言活動の強化、国際化への対応、広報体制の強化を通じて、製薬産業の健全な発展に取り組んでいます。

新薬の開発を通じて社会への貢献をめざす 日本製薬工業協会

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