トピックス 「2021年度 医薬品評価委員会・薬事委員会合同総会」を開催

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「2021年度 医薬品評価委員会・薬事委員会合同総会」を2021年4月19日に室町三井ホール&カンファレンス(東京都中央区)にて開催しました。また同日、厚生労働省、文部科学省から講師を招き、特別講演を行いました。2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で春の合同総会は2020年11月に延期となりましたが、2021年度は例年通りの時期での開催となりました。しかしながら、いまだ新型コロナウイルス感染症が収束していない状況を鑑み、前回に引き続き、製薬協幹部、製薬協医薬品評価委員会および薬事委員会の部会幹部約50名は会場にて参加、その他各委員会メンバー約550名はオンラインでの参加となり、ニューノーマル時代の幕開けを実感する会となりました。

会場の様子

合同総会は製薬協薬事委員会の柏谷祐司委員長の開会の辞で始まりました。特別講演では、厚生労働省から大臣官房審議官の山本史氏をはじめ4名、文部科学省より1名、計5名に講演いただき、新型コロナウイルス感染症のワクチンの開発状況を含む医薬品産業の現状や課題、2021年8月に施行を迎える医薬品医療機器等法(薬機法)改正、プログラム医療機器等、最新の医薬行政に関する包括的情報を入手できる貴重な機会となりました。

講演の内容

山本氏からは「最近の医薬行政の動向」と題して、厚生労働省が2021年夏の策定を目指している「医薬品産業ビジョン 2021」のコンセプトから、最新の厚生労働省の取り組みまで、幅広いトピックを含んだ講演がありました。また、昨今の製薬企業の不祥事にも触れ、薬機法改正を機に、企業における社内体制の確認およびガバナンス体制の構築を強く要望しました。

続いて同省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長の吉田易範氏より、「審査管理業務・治験の改善と企業に期待するもの」と題して、薬機法改正の1年目および2年目施行の改正内容、承認審査関連の取り組み(リアルワールドデータ(RWD)および最近のジェネリック医薬品(GE)に関する話題)、新型コロナウイルス感染症(緊急時対応時の議論)等、幅広い内容の講演が行われました。

同省医政局研究開発推進課長の笠松淳也氏からは、「研究開発振興の発展と企業に期待するもの」と題して、2040年を展望して誰もが長く元気に活躍できる社会の実現を目指した取り組みとしての医薬品プロジェクトの各事業について、紹介がありました。また、革新的医薬品開発に係る厚生労働省の取り組みや、クリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN)についてご講演いただきました。

また、同省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長の河野典厚氏からは、「医療機器の発展と企業に期待するもの」と題して、プログラム医療機器の最近の承認実績やDASH for SaMD(プログラム医療機器実用化推進パッケージ戦略)の紹介、早期実現のための相談制度の設置や体制強化についての説明がありました。また、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)の第一種使用の効率的な運用や、検討中の今後の改善方策について話されました。

講演の最後には、文部科学省研究振興局ライフサイエンス課課長補佐の根橋広樹氏より「文部科学省における健康・医療分野研究開発の取組について」と題し、製薬協とも共同研究を行っている東北大学東北メディカル・メガバンク機構を含むゲノム医療実現推進バイオバンク利活用プログラム(B-Cure)をはじめ、文部科学省のライフサイエンス事業について話されました。また、2021年夏までに、産学連携による医薬品・医療機器等の研究開発の推進のあり方の方針を取りまとめる予定であることが示されました。

最後に、製薬協医薬品評価委員会の日吉裕展委員長による閉会の辞で、医薬品評価委員会・薬事委員会合同総会を終えました。

(薬事委員会 清水目 梢、中山 能雄

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