トピックス 「いわて発!くすりで守るおらほの健康~震災10年と感染症対策を考える~」を収録 製薬協特別番組 テレビ岩手

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2021年2月6日にテレビ岩手のスタジオ(岩手県盛岡市、東京都中央区)において、製薬協特別番組「いわて発!くすりで守るおらほの健康 ~震災10年と感染症対策を考える~」の収録が行われました。今回は、新型コロナウイルス感染症対策のため、盛岡市と東京都にあるテレビ岩手のスタジオをつないでの2元中継、無観覧で収録となりました。感染症対策や新薬の価値を伝えるとともに、くすりの製造現場、そして治験の重要性等、新薬の価値と医薬品の適正使用について出演者のみなさんと一緒に楽しく学ぶ機会となりました。なお、収録された番組は2021年2月27日にテレビ岩手で放送され、この内容は製薬協ウェブサイトからもご覧いただけます。

収録の様子

いわて発!くすりで守るおらほの健康 ~震災10年と感染症対策を考える~

製薬協広報委員会コミュニケーション推進部会は、研究開発志向型の製薬企業および新薬が果たす社会的役割の重要性について、広く一般のみなさんに理解してもらうことを目的とし、地方テレビ局とタイアップして公開収録とテレビ放送を実施しています。

2020年度の収録は、新型コロナウイルス感染症対策のため、例年と異なり、盛岡市と東京都にあるテレビ岩手のスタジオをつないでの2元中継、無観覧で行いました。当日は、盛岡市のスタジオに岩手医科大学教授の櫻井滋先生、岩手県薬剤師会副会長の金澤貴子先生、盛岡市出身でフリーアナウンサーの高橋佳代子さん、東京都のスタジオに俳優でタレントの渡辺裕太さんをゲストに迎え、製薬協からは、広報委員会の大沼純一委員長が参加しました。

番組の収録冒頭で大沼委員長は、「医療用医薬品」と「一般用医薬品」の違いや、「医療用医薬品」が「新薬」と「ジェネリック医薬品」の2つに分類され、製薬協は新薬を創る研究開発志向型の製薬会社が加盟する団体であることを説明しました。

震災10年の教訓

2011年3月に発生した東日本大震災時の災害医療の現場と、現在につながる取り組みについて、VTRで紹介がありました。岩手県釜石市にある中田薬局の中田義仁先生より、「患者さんは、地震による津波でおくすり手帳が流されてしまい、今まで飲んでいたくすりの名前も明確に覚えていなかったため、なんのくすりを飲んでいたのかを判明させるのに大変苦労した」と、震災当時の医療現場について説明がありました。

また、岩手県薬剤師会会長の畑澤博巳先生からは、「この10年で薬剤師の役割は、患者さんにくすりを手渡した後までフォローするというところまでになった。くすりの提供、そして服薬指導、その後のフォロー、さらには在宅指導も含めて、薬局の外に出て行っていろいろな活動するというような状況に変わってきつつある。また、これからは、電子おくすり手帳が多くの場面で活躍すると思われる」との話がありました。

VTR後、大沼委員長からは、「製薬協では震災の教訓として、非常事態時における医師会や薬剤師会、病院等、地域のコミュニティとの連携の重要性を認識し、製薬協として災害時の対応マニュアルを整備し、有効な対応が取れるように今でも備えている」との話がありました。

新型コロナウイルスから考える感染症対策

岩手医科大学附属病院等のVTRを交え、感染症対策について紹介がありました。

櫻井先生から、これからの感染症対策について、「3月、4月は人事異動や新入学の季節のため、あいさつ回りなど、さまざまな場面で接触の機会が増える。その際は、マスクや手洗い等の基本をしっかりと守りつつ、リモート対応等、なるべく接触の機会を減らすことがポイントである。また、若い人たちは無症状であることが多いといわれているが、後遺症が出る可能性もあり、新型コロナウイルスに感染して良いことはまったくない。これからも、感染しないために今の努力を続けていくことが重要である」との話がありました。

大沼委員長からは、「製薬協の会員企業各社は安全で有効な治療薬やワクチンの研究開発について鋭意努力を続けており、製薬協のウェブサイトでは、会員企業の新型コロナウイルス感染症に対する取り組みをとりまとめて紹介している」との説明がありました。

新薬開発に欠かせない治験

新薬の開発に必要不可欠な「治験」について、総合花巻病院の協力のもと作成したVTRで紹介がありました。同病院神経内科部長の槍沢公明先生、同・薬局長の佐藤裕司先生から、治験とはどのようなものであるかの解説がありました。

また、佐藤先生から、「もし治験がなかったら、ずっと同じ治療を続けることになる。同じ治療で果たして、その疾患が良くなるのかわからない。いい新薬を世に出していただいて患者さんの治療に活かせるようになってほしい」との話がありました。

おくすりQ&A

「くすりの適正使用」に関するクイズが実施されました。その中で、くすりの飲み方等、くすりとの正しい付き合い方について、金澤先生から解説がありました。

クイズの様子

くすりの製造

今回は、シオノギファーマの金ヶ崎工場を取材し、医薬品が厳密な管理のもとで製造されていることや、東日本大震災の経験を活かし、長期停電が発生した場合でも、高品質な医薬品を安定的に供給していくための対策が講じられていることがVTRで紹介されました。

製薬産業を広く理解していただくための「製薬協の広報活動」

大沼委員長より、製薬協の広報委員会は、一般のみなさんの製薬産業理解のために、製薬協のウェブサイトによる情報発信、今回のようなテレビシンポジウムの開催、新聞や雑誌、あるいは刊行物等を通じての情報提供活動を積極的に行っていることが紹介されました。

最後に

最後に、ゲストの高橋さんから「くすりを飲み切らないことがあったが、用法用量をきちんと守りたい」、渡辺さんから「患者さんがどのようなくすりを飲んでいるのかを、家族が理解することが大切だと思う」との感想がありました。

大沼委員長からの「くすりはさまざまな病気の治療に大きな役割を果たし、人々の健康と幸福に寄与してきました。特に、治療法がなかった病気に対する新薬の開発は、患者さんとそのご家族に対して大きな希望を与えることになりました。また、人類の長い歴史の中で、さまざまな病気の克服に貢献してきました。しかし、まだまだ治療法のない、もしくは治療満足度の低い疾患領域は存在しています。このことは新型コロナウイルス感染症の出現によって、改めてクローズアップされました。製薬業界は、AIやビッグデータ等、新たな技術も積極的に取り込み、社会的に価値のある新薬の研究開発に、これからも邁進していきます」との挨拶で、「いわて発!くすりで守るおらほの健康 ~震災10年と感染症対策を考える~」の収録は終了しました。

(広報委員会 コミュニケーション推進部会 坂井 憲

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