トップニュース 「2020年度(第47回)GMP事例研究会」を開催

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製薬協品質委員会では、2020年度事業活動の一環として、「改正GMP省令とこれからの品質保証」をテーマに掲げ、「2020年度(第47回)GMP事例研究会」を9月11日に一般財団法人日本医薬情報センターとの共催で開催しました。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、本年は会場での開催を取りやめ、オンラインセミナー形式にて開催しました。1600名の多数の参加者を迎え、成功裏に終了しました。

オンラインセミナー会場の風景(製薬協第2会議室)

2019年度の医薬品製造販売に関する大きなトピックスとして、2019年12月4日、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」が公布されました。この中では、「国際整合化に向けたGMP/GCTP調査の見直し」「添付文書の電子化」「包装等へのバーコード表示の義務化」等、GMP(Good Manufacturing Practice)に直接影響のある項目が多く盛り込まれています。また、施行予定時期も改正項目ごとに明示され、これらに応じたオペレーションの計画的な対応が求められています。

さらに、2020年度は改正GMP省令の公布も見込まれており、国際整合化されたGMP基準に基づいた医薬品品質システム(ICH Q10)の導入、品質リスクマネジメント(ICH Q9)の導入、設備共用に関する規定、データインテグリティ(DI)の確保等の改正案がすでに公表されました。各社においても、GMP体制の対応・遵守の点検が進んでいくと思われます。

今回は、特別講演として独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)医薬品品質管理部の赤澤恒軌氏より、「最近の指導事例と規制の動向」と題し、製造所の現場で起きている問題を中心に、不正のメカニズムと根本的解決策、GMPを取り巻く国際情勢と課題についてPMDAの期待やGMP省令改正案の趣旨、解説を交えながら紹介がありました。また、事例発表の部では、製薬協会員会社の協力により、本年度のテーマに関連して、改正GMP省令への対応やデータインテグリティの取り組み等、計4題の発表が行われました。いずれも各社の経験や工夫された事例について詳細な説明があり、参加者からはオンラインにて114件の質問があり、代表的な質問に対し講演後に回答がありました。

今回の特別講演ならびに事例発表が、各社の品質保証レベル向上のために非常に有意義なものとなり、今後の参考になることを期待します。

特別講演

  1. (1)
    最近の指導事例と規制の動向

    独立行政法人医薬品医療機器総合機構 医薬品品質管理部 赤澤 恒軌

事例発表

  1. (2)
    第一三共グループの改正GMP省令への対応状況

    第一三共エスファ信頼性保証部 竹野下 治洋

  2. (3)
    武田薬品工業におけるデータインテグリティ(DI)の取組み

    武田薬品工業 信頼性保証統括部品質保証部 山下 大

  3. (4)
    製薬協GMP部会におけるクオリティカルチャーに係わる取組み

    製薬協 品質委員会 GMP部会 Quality Cultureプロジェクト
    中外製薬 藤江 宏 氏

  4. (5)
    Biopharmaceutics Classification System(BCS)に基づくバイオウェーバー ガイドラインの解説と日本における課題

    製薬協 品質委員会 ICH品質グループ
    アステラス製薬 高橋 豊 氏

まとめ

製薬協品質委員会では、事業活動方針に従い、GMP事例研究会、GMP懇談会、医薬品品質フォーラム等を通じた積極的な情報発信に加え、より実践的な話題の提供を行い、製薬業界のさらなる発展に寄与していく所存であり、行政や他団体とも協力し合いながら、品質保証システムの国際化とレベルアップを支援していきます。

(品質委員会 GMP事例研究会プロジェクト 岡部 忠志

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