「製薬協会長記者会見」を開催 「官民共創で拓く、日本の成長と国民の健康」をテーマに、日本の成長と医療の未来に向けた考えを発信

日本製薬工業協会(製薬協)は2026年7月30日、会長記者会見を開催しました。会見では、宮柱明日香会長が「官民共創で拓く、日本の成長と国民の健康」をテーマに、2月の会長会見以降の活動を振り返るとともに、「骨太の方針2026」および「日本成長戦略会議」を踏まえた製薬協の考え方と今後の取り組みについて紹介しました。会見後の質疑応答では、薬価制度改革や日本市場の魅力度向上、米国の最恵国待遇(MFN)価格政策への対応などをめぐり、活発な意見交換が行われました。

会見の様子

多様なステークホルダーとの対話・共創を推進

宮柱会長は、2月の会長会見以降、日本成長戦略会議や創薬力向上のための官民協議会、CPHI Japan、BIO International Convention 2026などの機会を通じて、多様なステークホルダーとの対話を重ねてきたことに触れました。こうした活動を通じ、創薬力の強化や国内製造基盤の強靱化、人材育成、日本市場の魅力度向上といった課題について議論を深めてきたことを振り返りました。
また、製薬協として初めて参加したBIO International Convention 2026では、厚生労働省、独立行政法人医薬品医療機器総合機構 (PMDA)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED)などと連携し、日本を創薬・バイオ分野における魅力ある投資先・研究開発拠点とするために、投資やシーズを呼び込む取り組みを官民一体で進めていくことが重要というメッセージを発信したと報告しました。

骨太の方針2026への評価

今回の会見では、7月に閣議決定された「骨太の方針2026」についても言及しました。宮柱会長は、製薬協がこれまで政策対話を通じて、提言してきた方向性が幅広く反映されたとの受け止めを示しました。なかでも、革新的な医薬品を迅速に患者さんへ届けるための環境整備や、新薬の価値を適切に評価する考え方が盛り込まれたことを評価し、今後の制度改革への期待を語りました。 さらに、医薬品安全保障や安定供給体制の強化、医療DXの推進、持続可能な社会保障制度の構築にも言及しました。こうした取組は、国民の健康と日本の成長の両立に向けた重要な一歩になるとの考えを述べました。

日本成長戦略会議における提言

宮柱会長は、日本成長戦略会議の「創薬・先端医療」と「合成生物学・バイオ」の両ワーキンググループにおいて、製薬協が「創薬力の復活」「国内製造力の強靱化」「人材基盤の堅持・強化」を柱とした提言を行ってきた経緯を説明しました。その中で、医薬品産業は国民の健康を支えるだけでなく、日本の経済成長や安全保障にも貢献する国家基盤であり、日本市場の魅力度向上が創薬・バイオ産業の発展を支える重要な要素であると強調しました。また、革新的な医薬品を日本の患者さんへより早く届けるためには、国内外から投資を呼び込み、研究開発や製造への継続的な投資を後押しする環境整備が欠かせないと指摘しました。
加えて、日本成長戦略会議で取りまとめられた官民投資ロードマップにおいて、創薬・バイオ分野への累積投資規模が約64.1兆円と、戦略17領域の中でAI・半導体に次ぐ規模に位置付けられたことに触れました。宮柱会長は、創薬・バイオ分野に対する期待の大きさを歓迎するとともに、「医薬品はコストではなく未来への投資」であり、その成果は国民の健康増進にとどまらず、創薬・バイオ産業を支える幅広い関連産業への波及を通じて、経済成長や雇用創出にもつながるとの考えを語りました。

日本の創薬力強化に向けた課題について意見交換

質疑応答では、2027年度薬価改定および2028年度薬価制度改革における革新的新薬の価値評価のあり方や、中間年改定への考え方、中医協改革における業界の関与のあり方などについて会場の記者から質問が寄せられました。あわせて、日本成長戦略会議で示された創薬・バイオ分野への官民投資ロードマップの実現性や、日本市場の魅力度向上に向けた課題についても議論が交わされました。さらに、米国の最恵国待遇(MFN)価格政策が日本の創薬環境や医薬品アクセスに及ぼす影響、製薬協の対応方針などについても意見交換が行われました。

今後に向けて

宮柱会長は、「誰もが必要な医療にアクセスできる持続可能な社会の実現」に向けて、研究開発への投資、国内製造基盤の強化、人材育成、医療DXの推進を引き続き進めるとともに、国民・患者さんをはじめとする多様なステークホルダーとの対話を通じて、骨太の方針2026や日本成長戦略会議で示された方向性の具体化と実行に貢献していく決意を述べました。今後も官民一体となり、日本の成長と国民の健康に貢献していくことを改めて表明し、会見を締めくくりました。

質疑の様子

(産業政策委員会 石本 理紗)

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