日米欧製薬3団体
費用対効果評価制度の拡大案に関する共同声明

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2026年10月07日
日本製薬工業協会(JPMA)
米国研究製薬工業協会(PhRMA)
欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan)

日本製薬工業協会(JPMA)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)は、日本で活動する世界有数の研究開発型の革新的医薬品企業を代表しています。私たちは、人々の生活に変化をもたらす新薬の発見・開発を促進する創薬イノベーション・エコシステムを支持しています。そして、日本政府と信頼のおけるパートナーとして協力し、患者さんが必要な治療を受けられるよう努めています。

9月30日、厚生労働省は、中央社会保険医療協議会(中医協)において費用対効果評価制度における薬価引下げの拡大を提案し、中医協はこの方向性を支持しました。これを受け、JPMA、PhRMA、EFPIAは、私たちの懸念を表明し、日本政府に再考を強く求めるため、本共同声明を発表します。

7月、私たちは、高市政権の「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針)」および「日本成長戦略」を歓迎しました。両方針は、革新的医薬品産業を戦略分野と位置づけています。そのうえで、特許医薬品市場を主要市場並みの年率9.6%成長に回復させる目標を掲げ、初収載時と特許期間中のイノベーション評価を進めるとしています。

この目標の実現に貢献するため、私たちは8月26日の中医協での意見陳述において、具体的な施策を提案しました。一つは、購買力平価で調整した米国価格と整合する水準を目指した、初収載時の薬価ルールの見直しです。もう一つは、市場実勢価改定、市場拡大再算定、費用対効果評価制度など、特許期間中の医薬品の薬価維持を妨げる制度の凍結です。費用対効果評価制度は、実際には主に薬価を引き下げる手段として運用されてきました。評価を終えた特許医薬品57品目のうち45品目(79%)で薬価が引き下げられた一方、引き上げられた品目はありません。

並行して、私たちは5月から8月にかけて行われた費用対効果評価制度の「客観的検証」に誠実に参画し、制度面・技術面の未解決の課題を指摘してきました。にもかかわらず、9月9日に中医協に報告された検証のとりまとめは、評価に「一定の妥当性はある」と結論づけました。私たちはこの結論に同意できません。結論に至る検証の客観性には疑問が残ります。

9月16日の中医協での意見陳述では、この結論の根拠と適用範囲が明確でないことを強調しました。そのうえで、制度面の議論が尽くされていないことから、費用対効果評価制度による薬価引下げを当面凍結するよう求めました。しかし、検証の結論を確定したものとして扱われ、価格調整(引下げ)範囲の拡大を前提とした議論を進めることが提案されました。これほど重要な決定には、より丁寧で透明性のある議論が必要です。

こうした経緯を踏まえ、今回の提案と中医協による支持を、私たちは深く憂慮しています。費用対効果評価制度の拡大は、特許期間中の薬価をさらに引き下げるものであり、特許医薬品市場の成長という政府の目標とは両立が難しいと考えます。また、骨太方針および成長戦略が示した前向きな方向性との整合性について、実質的な議論が一切ないまま本提案が進められていることを懸念しています。

高市政権の目標を実現するには、イノベーションへのインセンティブを強化し、日本が革新的医薬品に対して応分の負担を果たすことが必要です。米国の最恵国待遇(MFN)価格政策が、日本での新薬の開発・上市のインセンティブを大きく変えつつある今、その重要性は一層高まっています。特許期間中の薬価引下げをさらに進めれば、ドラッグ・ロスの深刻化や、投資先としての日本の魅力の低下につながるおそれがあります。これは、革新的医薬品産業を経済成長の戦略分野として育成するという政府の方向性に相容れないものです。私たちは厚生労働省に対し、本拡大を実施せず、政府の政策の方向性に沿って引き続き十分な議論を行うよう強く求めます。

英語ページはこちら

団体概要

一般社団法人 日本製薬工業協会(JPMA)

製薬協は、研究開発志向型の製薬企業68社(2026年10月1日現在)が加盟する団体です。1968年に設立された製薬協は、「患者参加型医療の実現」をモットーとして、医療用医薬品を対象とした画期的な新薬の開発を通じて、世界の医療に貢献してきました。

製薬協では、製薬産業に共通する諸問題の解決や医薬品に対する理解を深めるための活動、国際的な連携など多面的な事業を展開しています。また、特に政策策定と提言活動の強化、国際化への対応、広報体制の強化を通じて、製薬産業の健全な発展に取り組んでいます。

米国研究製薬工業協会(PhRMA)

PhRMAは、世界の主要な研究開発志向型革新的医薬品企業を代表する団体です。PhRMA加盟企業は、人々の生活を変革し、健康的な人生を送ることができる世界を創るために、革新的な医薬品の開発に注力しています。PhRMAは、患者さんが疾患の予防、治療、および治癒に必要な医療にアクセスし享受できる解決策を求めて活動しています。直近10年間で、PhRMA加盟企業は新たな治療・治癒の研究開発のために9,000億ドル以上を投資しました。

一般社団法人 欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan)

2002年4月に設立されたEFPIA Japanには、日本で事業展開している欧州の研究開発志向の製薬企業23社が加盟しています。2025年の加盟各社の総売上高は、日本の製薬市場売上の約32.4%を占めています。EFPIA Japanの使命は、“革新的な医薬品・ワクチンの早期導入を通じて、日本の医療と患者さんに貢献する”ことです。EFPIA Japanは日本の医療向上に向けて政策決定者との対話を強化することを目指しています。
https://efpia.jp/

本件に関するお問い合わせ先

一般社団法人 日本製薬工業協会(JPMA) 広報部

電話
03-3241-0374
お問い合わせフォーム
https://www.jpma.or.jp/inquiry/index.html

米国研究製薬工業協会(PhRMA) 広報事務局(株式会社パウエルテイト内)

電話
03-5427-7322
E-mail
phrma_jp@powelltate.com

一般社団法人 欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan) 広報委員会 井川 敦子/片桐麻衣

電話
070-1184-8615
E-mail
efpia.communications@novartis.com

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