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薬価改定と今後の影響について


薬価改定と今後の影響について
日本製薬団体連合会 保険薬価研究会 向田孝義 委員長
解説講演(要旨)

 2006年2月28日(火)、製薬協メディアフォーラムが東京・大手町に多くのジャーナリストを迎え、『薬価改定と今後の影響について』をテーマに開催されました。平成18年度の改定では、長期収載医薬品の特例引き下げと引き下げ率の拡大、またその遡及適用が行われる予定です。これは「既収載品の薬価改定は、市場実勢価格に基づいて改定する」というルールに反しており、製薬業界としては納得できるものではありません。また成分加重平均方式や頻回の薬価改定が継続審議になるなど、全体として製薬企業にとって非常に厳しいものとなっています。フォーラムでは向田委員長が、その詳細と製薬産業への影響などについて解説しました。


●平成18年度の診療報酬改定と薬価改定
 薬価制度改革は医療制度改革の一環で、平成15年3月28日の閣議決定の「医療保険及び診療報酬に関する基本方針」に基づいています。医療制度改革の基本的な考え方は、国民皆保険を堅持し、医療制度を将来に渡り持続可能にするための構造改革を行うということです。医療への信頼確保、予防の重視、医療費適正化の総合的推進、超高齢社会を展望した新たな医療保険制度の体系を実現しなければならないということが、平成17年12月1日の「医療制度改革大綱」に盛り込まれました。

 その大綱には診療報酬改定、また薬剤等に係る見直しとして報酬・価格の引き下げを行うと示されました。薬剤については「薬価・保険医療材料価格については、市場実勢価格を踏まえ引き下げを行う」「画期的新薬の適正な評価を行う一方、後発品の状況等を勘案した先発品の薬価引き下げを行う」と明示され、先発品については何らかの従来にない措置が取られることになりました。

 平成18年度の診療報酬改定では、全体の改定率は概ね-3.2%で過去最大となります。内訳は診療報酬本体で概ね-1.4%、薬価等で-1.8%です。薬価のみでは-1.6%ですが、薬価ベースでは特例の深堀り等があり6.7%の引き下げとなったわけです。近年薬価差が縮まってきた中では、今年の引き下げは近来になく高いものと思っています。

●制度改革に対する考え方、薬価制度に関する提案
 薬価制度に関する中医協における検討は、昨年の4月から10回開催され、産業界からの意見聴取などが行われました。7月には論点が提示され、さらに検討の回を重ねて本年の1月25日には「平成18年度実施の薬価制度見直しの内容(案)」が了承されたわけです。

 日薬連としては、薬価の算定と改定は銘柄別市場実勢価格に基づいて行われるべきものと考えます。その実勢価格をさらに割り込む後発品を持つ先発品薬価の切り下げの必然性はまったく見当たらないものと認識をしています。後発品の使用促進は薬価の高低を反映する患者一部負担額の多寡を踏まえた競争を活発化させることで図られ得ると考えます。

 また革新的新薬の開発・普及がもたらす治療成果は、結果として医療費削減につながるものと考えますが、現行の薬価算定ルールは必ずしもその価値を正しく評価できるものではないと思います。

 中医協の薬価専門部会の検討の中で、製薬協も意見陳述をしています。骨子は自己の説明責任を前提に価格を自ら算定する、それを薬価算定組織と直接協議できる仕組みにして欲しいということ。また適正な薬剤費のあり方について協議の場を持つこと。さらに公的な社会保障制度の中で、医療政策と産業政策との調和を図り、新薬創出を促進するための環境整備について、当事者が議論する「政府と産業との対話の場」を設置するという3つでした。

●今回の薬価制度改革のポイント
 業界にとっては調整幅方式による薬価改定、先発品の特例引き下げなど厳しいものが多い中、新規収載品の薬価算定に業界から希望すれば、直接意見表明できる機会が与えられました。これは製薬業界がかねてから望んでいた「政府と産業との対話の場」に一歩でも近づいたものと評価できます。

 また補正加算率の引き上げや傾斜配分の標準額の引き上げなどは、業界にとってプラスの効果が出るのではと期待しています。そのほか有用性加算(Ⅰ)の要件の緩和、小児加算の新設、外国平均価格調整など部分的に評価できるものもあります。

 後発品に関しての算定ルールは従来と変わりませんが、必要な規格をすべて揃えることを原則として安定供給を確保できるよう指導されることになります。また処方せんの様式を変更し、「後発医薬品への変更可」のチェック欄を設けるなど促進が図られます。

 後発品も含め同一成分・同一規格の全銘柄の市場実勢価格の加重平均値を用いて、調整方式により算定した価格を先発品の改定薬価とする改定方式、薬価改定の頻度を含めたあり方、類似薬効比較方式および原価計算方式のあり方については継続審議とされました。


 以上が今回のフォーラムの要旨でした。フォーラムの最後に質疑応答が行われ、多くのジャーナリストから質問の手があがりました。薬価制度改革への関心の高さがうかがわれ、意義あるフォーラムとなりました。

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