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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「個人情報保護法改正の動向と医療情報の立法政策のあり方」
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医療IDを導入したら、医療ID自体が個人情報になります。ひもづく医療情報はすべて個人情報と評価されることになります。医療等分野に限定した仮名加工情報に関する特別法を作り、仮名加工情報(個人データ)を利用できる道を開く必要があります。医療データのトレーサビリティやポータビリティ、また消去権を確保するためには特定個人が識別できる必要がありますから個人データでなければなりません。そのため、医療データは常に個人データとして検索可能なように体系的に構成されているべきです。 
 では、具体的にどのような法律を作るべきでしょうか。
 主体は認証制度とし、資格者として医師と指定研究者に限定します。対象は法律によって厚労省が指定する特定医療データベースに限定します。なんでも良いのではなく主体と対象を限定するのです。対象情報は「医療仮名化情報」にします。2020年の改正で仮名化情報の概念が入りますので、その医療版の特別法を作れば良いのです。
 次に、利用目的は法定利用目的に特定します。現在の個人情報保護法は、利用者が自由に利用目的を特定できますが、特別法では、利用目的を法律で(1)学術研究・公衆衛生、(2)本人治療、(3)創薬に限定します。データ移送は、個人情報保護委員会が指定する暗号化措置を取り、処理施設は厚労省が指定する特定安全対策事業所を指定します。個票(医療仮名化情報)は、学術的な検証可能性を担保した後に消去します。個人情報保護委員会の指定団体による監査も入れます。
 措置としては、違反した場合には医師免許の停止、取消、本処理の資格停止を行います。罰則は医師法に準じる直罰(懲役)です。効果としては、医療仮名加工による本人の同意なく第三者提供できる、データの収集と分析ができるということです。
 つまり、ルールを厳格に縛ったうえで、一人ひとりの正確なデータを本人の権利利益を害することなく仮名加工情報として大量に取り扱うことができるようにすべきという意見です。これが実現できれば、AIによる画像診断の精度を飛躍的に向上させ、また、病気の早期発見、早期治療につなげ、医療費総額の上昇を抑えることにも寄与するだろうと思います。

記名式Suica履歴データ無断提供事件

「記名式Suica履歴データ無断提供事件」(以下、「Suica事件」)を理解することによって、2020(令和2)年の個人情報保護法の改正のポイントの一つが見えてくると思いますので、ここで振り返っておきたいと思います。
 結論を先に言うなら、これは、今回の改正案にある仮名加工情報を理解するうえで格好の事例ということができます。要するに個人情報とは何か、非個人情報化の一つである「匿名加工情報」はいわば個人情報の概念を裏から問いかけるものでした。いわばその中間に位置づけられるような仮名とはなにかを教えにやってきたのがこの事件でした。残念ながら7年前の事件当時私どもの問題提起に対しては、情報法を扱う少なからぬ弁護士さんやIT企業等法務部門の方々、財界からもビッグデータビジネスを阻害し、個人情報の有用性への配慮を欠くプライバシー原理主義的な意見であると大きく指弾されました。メディアも法的な問題としてではなく消費者の不安に応えなかった問題だという理解での報道が大半でした。要するに日本には仮名という概念がなかったということを意味しています。要するに個人情報の概念の明確化をなしえずにいたということでもあります。
 この事件の事実の概要は、次の通りです。JR東日本が日立製作所(以下、日立)にSuicaのデータを加工して提供し、日立はそのデータを分析し、駅利用状況分析レポートという統計情報にして販売するというものでした。しかし、JR東日本が、今日でいうところの仮名加工情報のままSuicaデータを引き渡していたことが後に判明し社会問題となったという事件でした。
 JR東日本は、社内に情報ビジネスセンターを作り、社内に障壁を立てて、彼らの考えるところの匿名処理をしたうえで、非個人情報化したという理解のもとで、本人の同意またはオプトアウト手続きを不要と解して通常のデータとして日立に売却しました。
 ここで問題になっているのは、利用者氏名、フリガナ、電話番号、性別を記録している定期のSuicaですが「記名式Suica」と言っています。この記名式Suicaをそれなりに加工したもののこれがまだ個人データのままであったことが問題でした。記名式Suicaデータベースには、Suica ID、利用者氏名(フリガナ)、電話番号、生年月日、性別コード、乗降履歴データが記録されています。乗降履歴には入札情報と出札情報(それぞれ駅番号、ゲート番号、年月日時分秒)、鉄道利用金額が記録されています。またキヨスク等での購買履歴(物販情報)もデータベースに記録されます。

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