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近年の国際共同治験の参加国の分析
―臨床試験登録システムClinicalTrials.govを基に―
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米国では、国際共同治験の試験数に比べて単一国試験数が極端に多い点が米国以外の国際共同治験上位国である欧州各国と比べて特徴的です。欧州各国における単一国試験が米国(FDA)への申請を前提とした試験でなく、米国の臨床試験登録システムであるClinicalTrials.govにわざわざ登録していない可能性はあるものの、欧州は各国間の距離が近く、かつ同じ経済区域(欧州連合)にあることや、欧州医薬品庁(EMA)による中央審査方式が採用されていること等から、欧州の2ヵ国以上の国で試験を実施、いわゆる“欧州共同試験”が多く実施されている可能性が考えられました。それに加え、国際共同治験が世界で多く実施されるようになった2000年代前半より、米国の大手開発受託機関(CRO)が中心となり、ポーランド、チェコといった東欧諸国での試験実施(症例獲得)を強力に推し進めたことも要因の一つと考えられました[7]。なお、日本も、韓国、台湾、シンガポール等アジア各国と共同したアジア共同試験を実施することが多いのですが、その数自体は欧州と比較して少ないものと考えられました。

mark [7]
“Central and Eastern Europe Triples Global Trial Participation” The CenterWatch Monthly:Volume 15, Issue 6(2008年6月)

主要国の国際共同治験の試験数年次推移

主要国別の国際共同治験の試験数の年次推移を図3に、全体に占める割合を図4に示します。米国は、ClinicalTrials.govへの登録数の増加に合わせて、2000~2006年に急激に増加し、2006年は549試験、それ以降は少しずつ上昇し、2018年は684試験でした。これはClinicalTrials.govに登録されているすべての国際共同治験のうちの77.5%を占めていました。ドイツ、フランスについては、2006年以降は増加傾向がなくなりドイツが年平均400試験(全体の45%程度)、フランスが320試験(全体の35~40%)で推移していました。しかし、ドイツもフランスも、米国との国際共同治験に参加している試験数は年々増加してきており、一方で欧州の国のみで実施する国際共同治験の試験数は減少傾向でした。英国は、2006~2011年は300試験程度(全体の30%程度)で推移していましたが、2012年以降は350試験程度(全体の40~45%)に微増して推移していました。一方、日本は、2006年は19試験であったが、それ以降増加を続け、2018年には年間174試験(全体の19.7%)と約10倍まで増加していました。中国は2006年の57試験から、2018年は83試験(全体の9.4%)と増加していましたが、日本ほど国際共同治験の参加が増えていませんでした。しかし、中国では「審査承認制度改革深化と医薬品医療機器イノベーション推奨に関する意見」(庁字[2017]42号)として、臨床試験審査手順の最適化(IND提出後の一定期間に中国当局から否認されなければIND承認とみなす)、優先審査、海外データの受け入れ等を含む薬事規制改革に関する意見が、2017年10月に中国中央弁公庁および国務院弁公庁共同で出される等、急速に新薬開発促進の動きが活発化しており、国際共同治験についても今後中国の参加が増えてくる可能性があると考えます。

図3 主要国の国際共同治験試験数の年次推移(試験開始年:2000~2018年)
図3 主要国の国際共同治験試験数の年次推移(試験開始年:2000~2018年)

出所:ClinicalTrials.govをもとに作成

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