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市民・患者とむすぶ

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「第3回 患者団体アドバイザリーボード」を開催
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医薬品情報の提供について考える

一般社団法人 くすりの適正使用協議会 理事長 俵木 登美子 氏
一般社団法人 くすりの適正使用協議会
理事長 俵木 登美子 氏

次に、一般社団法人くすりの適正使用協議会(RAD-AR協議会)理事長の俵木登美子氏が「医薬品情報の提供について考える」と題した講演を行いました。

RAD-AR協議会の活動

RAD-ARは、Risk/Benefit Assessment of Drugs-Analysis & Responseの略です。1960~1980年代のさまざまな薬害問題を契機に製薬企業への批判が高まったことを受け、1980年代後半に欧米の製薬企業を中心として、医薬品に本来備わっているリスクとベネフィットを科学的、客観的に評価・検証し、その結果を社会に提示することで医薬品の適正使用を促し、患者さんのメリットに寄与することを目的に活動を開始しました。
 現在、主に3つの活動を行っています。1つ目は、信頼できる医薬品情報の提供のために、添付文書を平易な言葉で説明した「くすりのしおり」のウェブサイトでの公開です。「くすりのしおり」は、薬剤師が服薬指導の際に使用することを目的としており、各製薬企業が作成しています。2018年12月時点で1万6300枚の「くすりのしおり」が作られています。2つ目は、くすり教育の支援です。現在、中学校、高校では年に1時間程度ではありますが、くすりの教育を行うことを義務づけていますので、先生がくすりの教育を適正に行えるような資材の提供や研修会を開催しています。また、一般国民向けの啓発資材も作成しています。3つ目は、患者さんの実生活に沿った医療を行うことを目指したコンコーダンス概念や薬剤疫学の普及啓発活動です。

より良い情報提供活動のために

現在、インターネットにはさまざまな医療情報が氾濫しており、本当に役に立つ正しい情報を患者さんが見出すための対策は喫緊の課題です。2018年3月28日には「健康や医療・医薬品に関する情報を正しく理解していただくために」の共同ステートメントを6団体共同で発表しました。また、われわれが作成している「くすりのしおり」のサイトは、月の閲覧回数が2018年は前年度の3倍を超える1200万回近くまで上昇しました。この背景としては、2017年10月にGoogleの検索式が変更され、より適切と考えられるサイトが上位に表示されるようになったことが挙げられます。
 厚生労働省では「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」において、信頼できる医療情報を見やすくまとめて提供することを提言しています。また、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究班でも「信頼できる医療情報サイト構築を目指す取り組み」を行っています。われわれとしても、この課題にどのように取り組めるのか、現在検討を重ねています。たとえば、「くすりのしおり」のサイトは月1200万回もアクセスされていますので、「くすりのしおり」のサイトがポータルサイトになることにより、アクセスされた方が関連する情報を得られるように、関連サイトへのリンクを貼る等の対応はできないかと考えています。また、適切な情報と不適切な情報を見極めるための簡単なチェック方法等を啓発することも検討しています。
 過去に、ある薬剤の安全性情報が出された際に、翌日の朝刊よりも先に、患者団体のホームページに患者さん向けに当該医薬品の注意喚起が掲載されたことがありました。説明されている文章もとてもわかりやすく噛み砕かれており、大変感心しました。このような事例からも、患者団体のみなさんと協働することで、より良い情報提供活動ができると考えています。

質疑応答

講演に対する活発な質疑応答が交わされました。

1)患者さんは製薬企業以外にもアクセスできる情報源があること
アドバイザーのコメント
 企業から患者さんへの情報提供活動をガイドラインで規制しても、現在患者さんは、企業の株主総会や海外の学会、文献等から自由に情報を得ることができる状況にある。ほかのソースから情報を得られる環境があるにもかかわらず、製薬企業に対してのみこのような規制を行うことをどのように考えているのか。

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