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「第6回 日台医薬交流会議」開催される
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台湾でのイノベーションに関する状況として、台湾の研究開発型医薬品産業が、5+2のイノベーション産業に認定されたことが報告されました。台湾政府も多くのリソースを投入し、新薬開発を支援しています。台湾企業はさまざまな疾患領域において国際展開を目指した新薬開発を進めており、現在すでにPhase IからPhase IIIの臨床試験が全世界で行われ、中でも特に再生医療分野で日系企業との協力が加速しています。
 また、日本でのICH E2Bに関連して4つの報告がありました。はじめに、現状の組織構造、ADRの報告および提供された情報の対応経路におけるOffice of Safety I、Office of Safety IIの役割が紹介されました。続いて、日本の医薬品の制度の全体像、医薬品副作用情報に関する全体像が紹介されました。さらに、医薬関係者からの情報については重篤かつ製販から報告がないものはPMDAで調査を実施するが、残りは製販に情報提供をすることが報告されました。最後に、2019年3月から、患者さんからの副作用報告をPMDAのウェブサイトに公開する予定であることが報告されました。
 台湾でのADRレポートシステムの歴史と、最近のウェブサイトを利用した有害事象報告の状況が報告されました。
 次に、RWDの利用状況について両当局から報告がありました。日本からは、PMDAの安全性活動におけるRWDの利用状況が報告されました。Good Post-marketing Study Practice(GPSP)が2018年4月に改正され、「Post marketing database study」が新たに追加され、調査計画書作成のための相談制度が新設されたことが述べられました。また、MIHARI Project、MID-NETへの取り組みが紹介されました。台湾からは、RWDを分析してReal World Evidence(RWE)とするためには「データの品質が保証されるか」「おのおののデータ研究に関連性があるか」等のステップが必要であることが示され、このプロセスに基づくことで有効性(=治療効果)や安全性のRWEとなった事例が紹介されました。また、各種データベースからの連携についての全体像が示されました。
 次に、日本企業からICH E17に対する心構えが紹介されました。ICH E17は2017年11月にStep 4に合意され、現在、各当局で実装に向けた準備中です。ICH E5でのMRCTは“Local First”でありましたが、ICH E17でのMRCTは“Global First”の考えが取り入れられています。つまり、“Local First”とは、自国で何例必要か、早いPhaseから自国の症例を入れるべき、安全性の観点からは、用量設定は自国民で確認しないとわからない、といった、自国の症例数が少ない場合でも、自国のデータを最重要視する考え方でした。E17によるMRCTはGlobal dataを用いて、どのような要因が結果に影響を及ぼすかを検討し、地域間の一貫性を探索的に検討しています。また、台湾企業からは、日本市場向けの共同プロジェクトを台湾でも承認が取れるように拡充することが提案されました。具体的には、RWDプロジェクトを台湾と日本で開始し、包装工程を行う工場も日本と台湾の両方を登録することで、先行してPMDAの審査が行われていれば、台湾での略式審査となり、日本と台湾のローンチをほぼ同時に行うことができるので有効であることが紹介されました。
 最後に、両当局から薬価制度の紹介がありました。日本からは、既存薬価制度に関するおさらいの後、抜本改革となった2018年改正の主な内容について詳細な説明がありました。台湾からは、総額支払いシステム、薬価収載、市販後薬価調査等の既存の薬価制度について説明がありましたが、主な制度変更として、2018年9月に施行された、条件付き保険償還(Managed Entry Agreement、MEA)、特に薬剤の効果に応じた支払い制度(Risk Sharing Agreement、RSA)に関して詳細な紹介がありました。

3. 総括

2013年に始まった本交流会議は今回で6回目を迎え、両当局間では医薬品や医療機器の作業部会が立ち上がり、人材交流も進められています。特に医薬品については医薬品審査提携プロジェクトが進んでいます。本日のセッションでは、RWDやAI等の利活用を含めた革新的な技術への取り組み等、世界的にも注目されている話題が取り上げられ、両当局がいかにイノベーション等を規制に盛り込んでいくか前向きに取り組んでいる様子が理解できました。今後とも、両当局間で継続的にコミュニケーションをとり、相互理解と信頼を深めていくことが不可欠であると感じることができました。さらに、2018年6月にはTFDAがICHの規制当局メンバーになったことで、多国間の関係でも協働して国際的な規制環境を整備していくための素地ができ、両当局の協力の枠組みを進めていくうえでのターニングポイントとなったに違いありません。2019年は台湾で開催予定です。ぜひこの枠組みのもとで、台湾と日本の医薬品、医療機器、再生医療等製品に関する規制協力、理解の促進が官民でなされていくことを願ってやみません。

国際委員会 アジア部会 台湾チーム 香川 治、小原 澄門、桐山 尚

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