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「製薬協プレスツアー」を開催
バイオロジクス分野の人材育成及び研究・開発の支援等を通じて、日本におけるバイオロジクス産業の推進・振興に取り組む「バイオロジクス研究・トレーニングセンター」
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2018年度の製薬協プレスツアーは、2018年10月2日に「一般社団法人バイオロジクス研究・トレーニングセンター(BCRET)」(兵庫県神戸市)を訪問しました。BCRETは、2012年の製薬協によるバイオ医薬品産業に関する提言に端を発し、バイオ医薬品の製造・開発に精通した人材育成の推進等を目的として設立されました。今回のツアーでは一般紙、業界紙の記者9名と製薬協広報委員10名の参加のもと、BCRETに加え、国内発のバイオ医薬品製造技術の開発を目的として設立された「次世代バイオ医薬品製造技術研究組合(MAB組合)」、さらにはBCRETとMAB組合の施設が位置する「神戸医療産業都市」についても取材する機会となりました。

神戸市 医療・新産業本部 医療産業都市部 部長 三重野 雅文 氏
神戸医療産業都市と神戸医療産業都市推進機構について

神戸市 医療・新産業本部 医療産業都市部 部長 三重野 雅文
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神戸医療産業都市は神戸ポートアイランドの約200ヘクタールのエリアの中にあり、建物ごとの塀が無く、オープンに交流していこうというコンセプトに基づいています。取り組みのきっかけは、23年前の阪神・淡路大震災の復興プロジェクトであり、発展的に産業を活性化するため、成長産業として医療産業を振興してきました。
 1998年に神戸医療産業都市構想懇談会を設置し、同懇談会の座長だった当時神戸市立中央市民病院長の井村裕夫氏が京阪神の大学の医学部長を集めて議論したのが始まりです。ノーベル賞を受賞された本庶佑氏も京都大学の医学部長として参加していました。震災から5年後に国の復興事業と位置づけられ、現在では約350の企業・団体が集積しています。
 同懇談会で示されたコンセプトは、基礎研究を実用化につなげていくトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)の推進等を目指した新しいクラスターを作ろうというものでした。分野としては、特に再生医療を主要テーマに掲げて進めてきました。研究機関と病院と企業が集まってイノベーションを起こそうということで、井村氏が神戸市の外郭団体である神戸医療産業都市推進機構の理事長に就かれ全体のコーディネートをされました。現在は本庶氏が理事長に就任されています。
 神戸医療産業都市は6~7割埋まっている状況であり、約350社、約9400名が研究活動等を行っています。350社の内訳は、医薬品、医療機器、再生医療、アカデミアが挙げられ、その他に研究を支援する企業、たとえば動物を供給する企業や特許事務所、人材派遣会社等も入っています。全体像としては、北部に病院群が集まるメディカル・クラスター、中央にアカデミア、研究機関、企業が集まるバイオ・クラスター、南部にスーパーコンピュータ「京」のあるシミュレーション・クラスターが配置されています。
 メディカル・クラスターは、企業と病院の連携および病院群の集積化が必要とされ、2011年に神戸市立医療センター中央市民病院が移転し、その周辺に専門病院が集まっています。全体で1500床の病院群が形成されています。スーパーコンピュータ「京」については、現在の「京」の置き換えということで、2021年を目標に「京」の100倍の性能の新スーパーコンピュータを開発しています。また、「京」の隣に30分の1の性能のFOCUSスパコンを設置し、産業界で活用されています。米国や中国のスーパーコンピュータは軍事目的が中心である一方で、日本は約15%が産業枠として使われており、今後もさらに拡大させていきたいと考えています。
 神戸医療産業都市推進機構の組織について紹介します。クラスター推進センターでは、事業化支援とともに、エリア内でクラスター交流会を開催して情報交換の場を提供しています。医療機器の開発においては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)につなぐ前の段階からのサポートを行っています。レンタルラボの運営も行っており、特にウェットラボについては約96%が埋まっている状況のため、新たなラボビルを2年後の秋に建設予定です。先端医療研究センターでは本庶氏の指導のもと、免疫系の活性のコントロールの研究等の免疫機構研究を行っています。また、老化機構研究や再生医療研究も行っています。細胞療法研究開発センターでは、細胞製剤の製造や細胞の安全性の確保について研究しています。センター長の川真田伸氏は、細胞をできるだけ均一かつ大量に製造するための細胞製剤製造システム等の開発を行っており、世界で最初に規格を取ることを大きな命題としています。また、理化学研究所の生命機能科学研究センターでは、250名強のスタッフが再生医療の基礎研究等を行っています。2017年12月には、iPS細胞を用いた網膜治療等の実用化に向けた国内初の眼のワンストップセンターとして、神戸アイセンターが開設しました。ここには、京都大学の高橋政代氏の研究チームが入っているラボ、細胞培養施設、眼科病院、ロービジョンケア施設が入っています。

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