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革新的医薬品創出の担い手に関する調査
―世界売上上位医薬品の起源分析より―
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売上上位医薬品のモダリティ内訳推移

世界売上上位医薬品の創出企業としての位置づけが近年高まってきたバイオテックを起源とする医薬品を、抗体医薬品、抗体以外のバイオ医薬品と低分子医薬品というメッシュでモダリティ別、創出起源企業別にまとめました(図3)。ここで、低分子医薬品としたモダリティグループの中にはさまざまな物質群が包含され、核酸系化合物、新規キナーゼ阻害剤等、新規創薬基盤技術によって創出される医薬品も分類されています。

図3 創出起源企業別新薬モダリティ推移
図3 創出起源企業別新薬モダリティ推移

出所:図1に同じ

バイオテックは、バイオ医薬品を中心に新薬創出に貢献してきており、2013年、2017年には抗体医薬品の比率が優位でした。この点はバイオ医薬品を志向することが多いバイオテックの特性から考えて想定した通りの結果といえます。興味深いことは、バイオテックの躍進が著しい2017年におけるバイオテック起源医薬品数の増加が、低分子医薬品によってももたらされている点です。加えて、ファーマでは、2003年から2017年まで売上上位医薬品数シェアが減少傾向にある一方で(図1)、抗体医薬品を中心にバイオ医薬品数が増加基調にある点にも興味がひかれます。
 これらのデータだけから結論めいたことを述べることは難しいですが、次のように推論することが可能と考えました。すなわち、バイオテックの中には、新規創薬基盤技術を駆使し、疾患標的分子の探索や疾患メカニズム等の研究を進め、医薬品として最適なモダリティを選択した結果として、低分子医薬品を製品化するに至ったケースや、会社設立からかなりの期間が経過し、企業の成長にともなって製品ポートフォリオ拡充のために、モダリティの多様化を進めるようになってきた結果なのではないか。また、ファーマに関しては、かつて抗体医薬品はリスクの高い創薬カテゴリーと考え、研究開発の本格的参入を控えてきたところ、バイオテックによって研究開発から上市までの一連のプロセスの成功モデルが確立したことから、一気に参入が進み、そのための手段としては、自社技術の急速な充実、あるいは、さらにリスクの高い企業買収等が想定されるが、その結果、近年その成果が顕在化したのではないか。いわば、バイオテックによるリスクテイキング・イノベーションが、その成功により、スピルオーバー効果をもたらしたのではないか。
 以上の点は、今回の調査対象とした起源企業、医薬品の特性等をさらに詳細に分析し、今後明らかにしていきたいと考えています。

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