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「第129回 医薬品評価委員会総会」を開催
Patient Centricityを取り入れた医薬品開発を進めるためには何が必要か?
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秋の「医薬品評価委員会総会」を東京証券会館ホールにて、2017年11月22日に開催しました。今回の総会は「患者さんと共に創り上げる医薬品」をテーマに、3名の外部演者の基調講演と2つの部会からの報告があり、最後にアカデミア、医療関係者、患者団体および製薬企業の4者の視点でパネルディスカッションが行われました。各演者のプレゼンテーションでは、専門的な立場から最新の動向についてのわかりやすい解説があり、約250名の参加者が真剣に耳を傾けていました。また、パネルディスカッションは時間いっぱいまで盛り上がり、Patient Centricityに対する会員各位の関心の高さがうかがえました。

背景

これまでの医薬品開発は、製薬企業と医療従事者および規制当局が中心となって行われてきており、医薬品開発に患者さんの声を活かす機会はほとんどありませんでした。しかしながら、医薬品の最終的な使用者は患者さんであることから、近年、患者さんの直接の声、つまり「real-life experience(実体験)」を医薬品開発に活かすことの重要性が認識されつつあります。このような取り組みをPatient Centricityといい、患者さんにとってはもちろん、製薬企業にとっても医薬品開発に新たな視点を与える可能性があります。欧米ではすでに製薬企業が医薬品開発におけるPatient Centricityの取り組みを開始していますが、日本ではまだまだ浸透していないのが現状です。「製薬協 産業ビジョン2025」にもありますように、健康先進国を目指すうえでは、患者さんをはじめ医療を受ける側も自ら学び、医療関係者と円滑に意思疎通を図ることができるようになるための土壌作りが必要であると言われています。医薬品評価委員会の活動領域においても、創薬段階から患者さんの期待を理解して開発を進めることで、実際に使用する患者さんが期待するものに近い医薬品を開発できると考えられます。

シンポジウム

今回の総会シンポジウムでは、患者さんの声を医薬品の研究・開発に活かすために私たち製薬企業ができることはなにかを考えることを目的として、「患者さんと共に創り上げる医薬品」をテーマに、医療従事者、患者団体代表、倫理専門家のそれぞれの立場で3名の方に講演をお願いしました。また、医薬品評価委員会の臨床評価部会、データサイエンス部会から関連したトピックスを紹介し、最後にパネルディスカッションを行いました。

基調講演I

国立がん研究センター中央病院 副院長 藤原 康弘 氏
国立がん研究センター中央病院
副院長 藤原 康弘 氏

国立がん研究センター中央病院副院長の藤原康弘氏より、「国立がん研究センターにおける患者・家族の研究への参画について」と題して、講演がありました。藤原氏からは、我が国の患者・家族の研究への参画の端緒は、2006年6月の「がん対策基本法」の成立であり、当該法律にしたがって発足した「がん対策推進協議会」において、患者・家族が国のがん対策の検討に直接参画できる機会が設けられたという、歴史的な背景の話しに始まり、現在10年おきに策定される「がん研究10か年戦略」の策定にあたって設置された「今後のがん研究のあり方に関する有識者会議」への患者・家族の参画が実現したことで、今日、がん領域では患者・家族の参画が他領域と比較してかなり進んでいる状況になっているという話しがありました。
 また、国立がん研究センターでは、患者・家族のセンター業務へのさまざまな参画を推進してきており、2008年度に発足された、同センターがん対策情報センター「患者・市民パネル」はその最初の事例であり、現在は治験審査委員会や研究倫理審査委員会への患者・家族の参画のみならず、2010年の独立行政法人への移行後も、センター業務へのさまざまな領域に患者・家族の参画を推進していることを紹介しました。

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