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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「医療健康分野におけるAI/ビッグデータの活用について」
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具体例を挙げると、肺がん治療薬アレクチニブのターゲットのALKという遺伝子のタンパク質配列について、患者さんによって一部の配列が異なる場合がありますが、ゲノムの配列から薬の効果は予測できません。
 これをわれわれはタンパク質の変異に置き換えて予測しています。ゲノムの変異の中には、タンパク質のアミノ酸配列が変わる変異があります。この変異によって変換されたアミノ酸が薬剤に対してどのような影響を与えているかを、分子動力学シミュレーションするのです(図13)。

図13 分子シミュレーションによる薬剤反応性予測と創薬へ
図13 分子シミュレーションによる薬剤反応性予測と創薬へ

世界に勝つためのAI戦略:ハイブリッド型人工知能

ライフサイエンスにおけるAI利活用において深刻な課題があります。ライフサイエンスにおいて非常に重要なことは、新規の事象や物質を発見することです(図14)。ところがAIの予測範囲、予測精度は学習するデータの質と量に依存します。未知の領域を予測することは不可能なのです。しかし、未知の領域を探索することがライフサイエンスの醍醐味でもあり、その発見からすごい特許が出てくることもありますので、AIとは相反している部分ともいえます。とはいうものの、データがなければ話にならないので、データの整備というのは非常に重要なことです。また、AIはブラックボックスであり、AIに問い合わせてAと問い合わせたらBという答えを返してくれますが、その推論過程や理由がよくわかりません。創薬では、人体に作用する安全かつ有効な人工物質を開発する必要があるのでブラックボックスでは困るという課題があります。
 これらの問題を解消するために、計算機上でのシミュレーション実験によって、学習データを生成して、データの質と量を担保する研究をしています。実際に、分子の世界ではバーチャル実験ができる状況になっています。ただし計算だけでは誤差が膨らみますので、必要最小限の実験だけ新たに行うことで誤差を減らして学習の精度を高めていきます。AIだけではなくシミュレーションと実験基盤の三つ巴により、コストをできるだけ下げていくことが重要と考えています。

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