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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「医療健康分野におけるAI/ビッグデータの活用について」
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図12 人工知能による世界最大規模のタンパク質-化合物結合予測
図12 人工知能による世界最大規模のタンパク質-化合物結合予測

化学構造とタンパク質の情報をコンピュータに入力し、それによって結合するかしないかを予測するのが従来型のインシリコ創薬です。一方で、タンパク質Aの配列情報を入れて、この配列情報に適した化学構造はどのようなものかをAI自らにデザインさせるのが次世代型のインシリコ創薬です。
 われわれが実際行った事例では、CDK2というがんに関連するタンパク質の情報を入力するだけで、最適な活性化合物をAIにデザインさせることができています。今後は精度の問題が重要になってきますので、コンソーシアムで精査をして、新しいアルゴリズムへの適応を進めています。
 次にゲノム医療についてですが、オバマ前米大統領がゲノムをベースにした医療を促進させる声明を発表し(Precision Medicine Initiative、2015年1月)、日本でもそれに追随する形でスタートさせています。効くかどうかわからない薬を投与するのではなく、患者さんのゲノム情報に基づいて、薬が効くか効かないかをあらかじめ評価をしたうえで、効く患者さんにだけ投与するという趣旨のものです。
 ゲノム医療におけるAIではIBMのワトソンが非常に有名ですが、ワトソンに過去の膨大な文献やデータベースを学習させておけば、それに基づいて最適な治療を提案することができます。
 ゲノム医療における課題は人種差です。ワトソンは欧米人中心のデータで学習されていますが、われわれが実際に日本で利活用する場合には、日本人のゲノムに対する予測をする必要があることから、日本人向けにチューンナップをしなければなりません。これを克服するために、AMEDの支援のもと京都大学と富士通が共同で、国産のゲノム医療のAIを開発しています。
 京都大学医学部附属病院では、患者さんのゲノム解析によりがんゲノム医療を行っていますが、簡単なものではありません。特にがん患者さんの場合、がんの変異により抗がん剤が効かなくなることがあります。つまり、遺伝子のタイプ、ゲノムの情報というのが変わってしまうことがあります。また、遺伝子タイプと薬剤反応性の分子メカニズムは十分理解されていないということもあります。さらに深刻なのは、患者さんのがん細胞のゲノムには多くの変異が検出されますが、その臨床的意義がわからないということがあります。

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