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「2017年偽造医薬品対策セミナー」を開催
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Pharmaceutical Security Institute CEO Thomas Kubic 氏
Pharmaceutical Security Institute
CEO Thomas Kubic 氏

PSIの2016年の報告によると、偽造医薬品関連の発生数は、全世界で1万1406件であり、前年に比較して33%増加しました。また、世界税関機構によると、世界で1300件以上の差し押さえが報告されました。差し押さえの中身としては、偽造医薬品は前年の1600件から1100件に35%減少したものの、横流しが1926件で前年に比較し74%増加しました。正規のサプライチェーンに紛れ込んだ偽造医薬品も、45ヵ国で272件報告され、アジアが30%、南米28%と半分以上を占めました。犯罪組織も学習してきており、正規品に紛れ込ませわかりにくくするケースがみられます。
 違法医薬品製造施設は、18ヵ国で111ヵ所が摘発され、中国が36、インド23、パキスタン20、北米は12ヵ所でありました。また、偽造医薬品の種類は1200製品を超えており、ターゲットとされている医薬品の疾患領域のトップ3は、生殖・泌尿器系、感染症、中枢神経系であります。
 日本のリスクとしては、2017年に初めて正規のサプライチェーンに偽造医薬品が紛れ込んだケースが発生したことや、2016年に違法医薬品製造施設が発見されたことを挙げ、日本は他国と異なるという状況ではなくなりつつあることが報告されました。

LegitScript社 President John Horton氏
LegitScript社 President
John Horton氏

LegitScript社のJohn Horton氏は、自身の政府での経験と会社を立ち上げた経緯、現在同社で行っているウェブサイトでの違法医薬品売買の監視活動を説明しました。
 監視活動では、インターネット薬局の監視、各国の規制当局へ違法企業の報告、レジストラー(ウェブサイトのURL認証を与える機関)への違法サイトの削除依頼を行っています。最近では、ウェブサイトの決済機能として用いられているクレジットカードでの購入について、安全なサイトであることを示すためLegitScript社への届け出制とすることや、カード会社に悪徳加盟店への支払い停止を提案する等、悪徳業者がインターネット上で生き延びられないようにする仕組みを構築しています。Horton氏によれば、日本の偽造医薬品の課題は、医薬品の個人輸入代行が認められていることにあります。日本の制度は欧米や中国より寛容であり、前述の取り組みによりサイトを削除・閉鎖しても、新たなウェブサイトが立ち上がってしまういたちごっこの現状が報告されました。

Eisai US Inc. Senior Director Gregory Kleiman 氏
Eisai US Inc. Senior Director
Gregory Kleiman 氏

米国エーザイでProduct Securityを担当しているGregory Kleiman氏は、エーザイにおける偽造医薬品の取り組みについて、現状を報告しました。
 偽造医薬品を製造・流通させる当事者も考えを巡らせており、ターゲットとなる偽造医薬品は価値の高い薬にシフトしつつあります。最近のエーザイの偽造医薬品の例をみても、抗肥満薬や、(経口)抗がん薬の偽造報告が増えてきています。摘発された業者は、研究試薬用に作ったと言い訳をしますが、隠して送っていることは確かです。また、規制当局のルールにしたがって公開している医薬品のボトルラベルを基に、精巧にラベルを作成し偽造医薬品を製造するといった手口も巧妙化している等、具体的な事例の共有がされました。

あとがき

日本でも偽造医薬品の流通が見出された一件は、衝撃をもって受け止められています。年内の取りまとめに向けて厚労省および関係者で精力的に対策が検討されており、製薬協でも官民を挙げた偽造医薬品への対応を行っていきます。併せて、偽造医薬品に対する一般消費者への啓発活動は、今後さらに重要になると考えます。製薬協ではグローバルヘルスに貢献する「製薬協 産業ビジョン2025」のもと、今後とも産学官連携のセミナーやメディア向けのセミナー等を通じ、偽造医薬品への認識を高める取り組みを展開していきます。

国際委員会 グローバルヘルス部会 偽造医薬品対策グループ

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