製薬協について 製薬協について

Topics | トピックス

最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前 pdf
179号タイトル
トピックス画像
前へ12345678次へ
「2017 ライフサイエンス知財フォーラム」を開催
line03 line03 line03
京都大学 iPS細胞研究所 副所長・医療応用推進室長 高須 直子 氏
■講演4

iPS細胞の医療応用・現状と課題
京都大学 iPS細胞研究所 副所長・医療応用推進室長 高須 直子
line03

CiRA知財管理室は2008年に発足し、iPS細胞特許の権利化に取り組みました。ヒトiPS細胞についての出願は京都大学が最初でしたが、その後に複数の関連出願があることがわかり、米国では先発明を争うインターフェアレンスが宣言されようとしておりました。しかし、その時、相手側のiPierian社から特許譲渡の申し出があり、係争を回避することができました。2011年1月のことです。係争に無駄なお金、時間、労力を使わずに済んで良かったと思っています。現在、京都大学の基本特許は、日米欧を含む30ヵ国1地域で成立しています。
 京都大学特許のライセンスポリシーは、非営利機関には原則無償で、営利機関には非独占で適正かつ合理的な対価としています。公的機関である京都大学が特許を取得する意味は、各研究機関が安心してiPS細胞の研究開発を推進できるようにするということです。いざというときにクロスライセンスの材料となることも重要です。企業へのライセンスも大切ですが、汎用・基本技術の場合は非独占にして実用化が進むことが重要と考えます。線引きが難しいですが、独占にしたほうが実用化が進むと考えられる場合に、独占とすることがあります。
 次に、産学連携についてですが、近年、CiRAの共同研究数が急速に増えています。成果を出すためには、Win-Winの関係になる契約にする必要があります。判断で迷ったら、「より研究開発が進むために」という原点に戻って考えることにしています。
 また、研究を進めるためには、単に許諾して終わりということでなく、双方の研究者が密接な関係をつくることが重要と考えます。実際そうした取り組みから、いくつか成果が出始めています。さらに、特に治療薬のない分野では、複数の共同研究を同時に走らせ、一刻も早く治療薬の提供ができるようにお願いしています。
 CiRAのiPS細胞ストックプロジェクトの概要についても紹介します。HLAホモ接合体をもつドナーを探し、血液の提供を受け、臨床グレードのiPS細胞を作り、ライブラリー化を行っています。徹底的な品質評価を行っていますが、提供価格は、非営利機関の場合無償、営利機関でも、5万から10万円に抑えています。
 最後に、再生医療分野における知財のあり方についてです。再生医療を軌道に乗せるために、知財はしばしば障害になり、その扱いは難しいです。
 CiRAは、クロスライセンスの材料となる特許をそろえていく必要があります。すでに関連する知財を保有する企業は、軌道に乗るまで、ライセンス料を抑えていただきたいです。ロイヤリティ・スタックでビジネスができなくなるおそれがあります。そして、新たにチャレンジする企業には、クロスライセンスの材料となる特許を保有することが重要と考えます。

日本製薬工業協会 知的財産委員会 委員長 藤田 一司 氏
■講演5

再生医療分野における特許とは?~その戦略と課題~
日本製薬工業協会 知的財産委員会 委員長 藤田 一司
line03

山中伸弥先生によるiPS細胞の発見から10年経ちますが、まだ事業戦略も製品も特許戦略もないというのが実情です。医薬品を保護する特許というのは、有効成分である化合物を含む物質特許とその周辺特許からなり、その範囲はほぼ明確です。それに比べて、再生医療等製品の場合には、技術分野として新しく、物質特許というものが存在するのかどうかも不明ですし、また、製造法についても、1個でも培地の添加物が異なるとまったく別の結果が出るため、その変更が困難です。つまり、製造中間体や製造方法の特許の重要性が非常に高く、添加剤や培地に関する特許が出てくると思われます。

前へ12345678次へ
最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前

このページのトップへ