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「第8回 環境技術研修会」を開催
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また廃棄物の定義については、法2条1項は「不要物」であるとしていますが、具体的になにが廃棄物に該当するのか争いになるケースは多く、最高裁の決定(おから事件)では、総合判断説が採用されています(最高裁1999年3月10日決定)。しかし総合判断説は、各要素の重み付けが不明確であり、行政の現場で個別判断をすることは困難であると考えられます。したがって、有償売却されるもの、いわゆる有価物は廃棄物に該当しないとして指導されることが多く、その際、輸送費をどのように考量するかが問題とされています。
 有償売却の判断において、2005年3月25日の通知(環廃産発第050325002号)では、輸送費を勘案したうえで有価であることが必要であるとされましたが、2013年3月29日の通知(環廃産発第13032911号)では、輸送費を込みで有価であることは必ずしも必要ないという柔軟な記載に変更されています。

環境犯罪検挙件数の動向

大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染対策法等、企業が遵守を求められる環境法令は多数ありますが、その中でも廃棄物処理法は重点的に取り締まりが強化されている法令です。そのため他の法令に比して検挙件数が多く、また起訴率も高くなっています。このような状況を考慮し、企業は廃棄物処理法についてコンプライアンス体制を整えるとともに、委託契約書の作成、マニフェストの交付、現地確認の強化等を行う必要があります。

過去の大規模不法投棄事件

1999年に発覚した青森・岩手県境不法投棄事件では、埼玉県の処理会社のルートにより、推定67万・という大量廃棄物が投棄され、関東を中心とした排出事業者約1万2000社に対し報告徴収が行われ、委託基準違反等を理由に措置命令が出されるとともに、自主撤去や資金の拠出が求められました。
 チタン製造会社が副産物である汚泥をリサイクルして売却した事案では、販売された土から六価クロムなどが検出され、不法投棄事件として会社担当者に対する実刑および会社に対する5000万円の罰金刑が科せられました。さらに株主代表訴訟が提起され、大阪地裁(2012年6月29日判決)では元副工場長に486億円、その他の元役員・元社長に対し100億円以上の損害賠償請求が認められました。この事件は控訴され、高裁で和解が成立していますが、無理なリサイクルが排出事業者の刑事事件・民事事件・株主代表訴訟という大きな紛争に発展した事例であります。
 2016年にはカレーチェーン店から発した廃棄カツの横流し事件が発覚しました。食品リサイクル法の登録再生利用事業者であり、産業廃棄物処理業の許可も有していた業者が、受け入れた廃棄物を店舗などに販売していた事案です。その後の調査で当該業者は、愛知県、岐阜県、三重県に隠し倉庫を有し、大量の食品廃棄物を保管し腐敗させていたことがわかっています。この業者の許可証における許可能力を見ると、破砕・選別の能力が83.5t/日、発酵の能力が1・ /日となっており、継続的に堆肥化を行う能力があったとは思われません。排出事業者は処理業者の選定において、処理能力のバランスに注意すべきであったと考えます。
 前述の不法投棄事件・不適正事案を通じて、排出事業者は法令の遵守だけではなく、優良な処理業者を選定することに力点を置くことが必要であると考えます。優良な収集運搬業者は中間処理業者の評判や過剰保管などの現状について、排出事業者よりも情報をもっています。また誤った廃棄物の運搬は断る等、法令違反を未然に防止する機能も有しています。優良な中間処理業者を選ぶことにより、適正なリサイクルや最終処分場の選択等の効果があると考えられます。

法改正の動向

廃棄物処理法はたび重なる改正を経てきました。今年(2017年)も廃棄物処理法改正が予定されています。この改正に向け、環境省は自治体、全国産業廃棄物連合会、日本建設業連合会、日本経済団体連合会、全国都市清掃会議等から意見を聞き、「廃棄物処理制度専門委員会報告書(案)」としてとりまとめを行うとともに、パブリックコメントを実施しました。
 このとりまとめでは、処理状況の透明性向上、マニフェストの不正防止強化および電子マニフェストの拡大、廃棄物処理業者のあっせんや処理料金の代理受領を行う管理会社への問題提起、有害廃棄物管理、市町村の処理困難物対応等が取り上げられています。これらの項目について今後どのような法改正が行われるのか注目しています。

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