製薬協について 製薬協について

政策研のページ

最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前 pdf
179号タイトル
政策研のページカテゴリ画像
前へ1234567次へ
Personal Health Recordの活用
─「医療健康分野のビッグデータ活用研究会」レポート─
line03 line03 line03
図1 患者を中心としたPHRデータの連携
図1 患者を中心としたPHRデータの連携

PHR側のデータが充実したことから、結果として医師がPHRを見る頻度も増えています。たとえば糖尿病の患者さんでは、HbA1cのトレンドや最近の食事傾向を把握するために、PHRを見て患者さんに指導することが、外来での患者コミュニケーションの中心になる等、医師のPHRに対するスタンスが変わってきています。

製薬企業からのPHRの提供

製薬企業も、患者さんや医療機関向けのサービスとして、PHRアプリの提供等を開始しています。主にアドヒアランス支援、医師への治療貢献、MRの情報提供ツール等の形でアプリを利用しており、Beyond the Pillの観点から取り組みを進めている企業もあります。
 製薬企業から提供されるPHRアプリは、現状はPHR(システム)サービス事業者が作成したPHRプラットフォームが使われることが多い傾向にあります。診療ガイドラインや疾患手帳の内容の網羅、記載フォームや機能に工夫を加える際等に、製薬企業が自社開発するよりも早く、比較的便利なものを提供することができるためと考えられます。製薬企業のニーズを反映したオリジナル性の高いPHRアプリが共同作成されているケースも多く見られます。
 製薬企業が提供しているPHR(疾患別)アプリの事例には次のようなものがあります。
 たとえば、体重が減少するという特徴をもつ糖尿病治療薬を処方する際に、医師の処方や指導をサポートするために体重計と連動して、測定値を自動入力できるというアプリがあります。患者さんの利便性も高く、日常の体重変動がひと目でわかるため、医療従事者は体重データを見ながら、指導や食事の管理ができるようになっています。
 また、がんの患者さん向けのがん疼痛の「見える化」を意図したアプリがあります。がん患者に多く発生するがんの痛みが医師にうまく伝わらずに鎮痛薬が処方されないという状況が散見されます。その改善のため、患者さんの痛みを医療従事者に見える化し、さらに痛みだけではなく、しびれや吐き気等さまざまな自覚症状を共有化できるPHRが作成されています。入力データが蓄積されてグラフになるので、利用者は痛みの変動や傾向がビジュアルに時系列でわかるようになっています。
 また、前立腺がんに特化した疾患アプリも企業が提供しています。前立腺がん治療中の患者さんのいろいろな症状や状況の記録を、患者さんと医師で共有できるように開発されています。そのほかにも、継続的な服薬順守が有効性・安全性に大きな影響を与える薬剤等で、アプリによって服薬アドヒアランスを改善するという目的をもったものも出てきています。
 こうした各アプリには、患者さんが日々入力したデータを医療従事者が一覧してわかるようにレポート化できる機能を有しているものが多く見られます。また、患者さんに継続して使用してもらえるように、自動入力機能を付けたものや、患者学習が行えるように開発されたもの、指導箋のようなコンテンツを活用しながら患者さんの協力を得ていくことによって継続を促す工夫を入れたアプリ等もあります。また、疾患理解度クイズ等を使って患者さんの理解度を把握しながら患者指導を行い、それを診察時のコミュニケーションツールとして活用したり、振り返りデータとして活用するアプリも出てきています。

前へ1234567次へ
最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前

このページのトップへ