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医療・ヘルスケアにおけるIoT(Internet of Things)
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日本政府の取り組み

「日本再興戦略2016」の中でも最大の鍵とされる「第4次産業革命」のキーワードとしてIoTの活用を掲げており、各省庁にて取り組みが行われています。その中でも医療・ヘルスケアにおけるIoTサービスを推進するうえで関連の深い主な取り組みを以下に挙げます。
 1つは、経済産業省による「IoT推進のための新産業モデル創出基盤整備事業(企業保険者等が有する個人の健康・医療情報を活用した行動変容促進事業)」です。この事業は、レセプト情報、健診情報および各個人がウェアラブル端末などで蓄積した健康情報を収集し、健康的な生活習慣のための行動変容を促進・支援する事業です[3]。IoTによるデータ等を活用し適切なタイミングで介入することにより生活習慣病の重症化を防ぐことで、健康増進とヘルスケア産業の創出・育成を図ることを目的としており、8つのコンソーシアムが採択されました。
 2つ目は、総務省および経済産業省の共同の呼びかけのもと設立された「IoT推進コンソーシアム」のワーキンググループの1つ、「IoT推進ラボ」です。これは、IoTプロジェクトを発掘・選定し、企業連携・資金・規制の面から徹底的に支援するとともに、大規模社会実装に向けた規制改革・制度形成などの環境整備を行っています[4]。医療・ヘルスケアにおいても、北海道大学大学院情報科学研究科や株式会社エクスメディオなどへの支援が行われています[5][6]。IoTを活用して新たなサービスを行う際にさまざまな規制が障壁となることがありますが、資金援助や企業連携だけでなく、規制を管轄する国とも連携することで新たなビジネスを生み出す取り組みが行われています。
 3つ目が、データ二次利用を見据えた場合に関連する取り組みとして、内閣官房 次世代医療ICT基盤協議会を中心に検討されている「代理機関(仮称)」があります。電子カルテやレセプトといった医療情報だけでなく、総務省を中心として個人の健康・医療・介護情報を時系列的に管理できるPHR(Personal Health Record)機能の実現のための検討がされています[7]

mark [4]
https://iotlab.jp/jp/about.html(参照:2016/10/07)

まとめ

医療・ヘルスケア領域においてIoTを活用したサービスは、医療や健康・予防の質を高めることができるだけでなく、新たな成長市場としても期待されています。また、海外を中心に製薬企業による活用事例も増えています。普及するうえでの課題も多いですが、今後医療・ヘルスケア業界に与える影響は非常に大きくなることが予想されます。政府には、データ二次利用の促進などの環境整備に期待がかかります。製薬企業として、既存ビジネスにどのようなシナジーを効かせていくのか、または独立したビジネスとして展開するのか、個々の企業によって戦略は異なると考えられますが、積極的な取り組みが期待されるところです。

医薬産業政策研究所 主任研究員 杉浦 一輝

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