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「第20回 省エネ・温暖化対策技術研修会」を開催
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嶋田 章 氏
■ 講演2

地球温暖化対策の最近の動きについて
環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 地球温暖化対策事業室 調整第一係長
嶋田 章
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1.気候変動への適応

2016年の夏は、各地で発生した豪雨災害や相次ぐ台風の襲来など、気候変動の影響を肌で感じるような気象状況がいくつもあったと考えられます。こうしたことからも、気候変動の影響への「適応」の重要性が高まっています。「適応」は温室効果ガスの排出抑制である「緩和」とともに気候変動対策の柱です。「適応」は、すでに起こりつつある、あるいは起こりうる気候変動の影響への対応であり、具体的には、高温耐性品種の実現、堤防などの整備や避難の円滑化、熱中症対策などが挙げられます。
 わが国は、2015年11月に「気候変動の影響への適応計画」を閣議決定し、今後、気候変動の影響に関する科学的知見の充実、気候変動適応情報の一元化と共有、地域の関係者一体となった取り組みの推進などに注力することとしています。

2.国際的な動向 パリ協定等(2020年以降の新たな国際枠組み)

気候変動に関する国際的な枠組みは、1992年の国連気候変動枠組条約の採択で、大気中の温室効果ガスの濃度安定化に向けた大枠を規定しています。その後の1997年に京都議定書が採択され、先進国のみに温室効果ガス削減目標を義務付けましたが、実際にはアメリカの離脱や当時の途上国からの温室効果ガス排出量の増加などを受け、すべての国が参加する公平で実効的な枠組み構築への要請が高まっていました。
 そうした経緯を踏まえて、2015年12月にパリ協定が採択されました。同協定では、世界共通の長期削減目標として、産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑制することを規定するとともに、1.5℃までへの抑制に向けた努力の継続に言及しているほか、すべての国が(1)削減目標を規定し国内措置を実行、5年ごとに同目標を提出し、(2)自国の取り組み状況を定期的に報告し、レビューを受け、(3)世界全体としての実施状況の検討を5年ごとに行うことを規定しています。
 パリ協定については、年内発効に向けて各国が締結を急ぐことを確認してきました。アメリカ、中国などの主要排出国やEUなどの地域が締結を進めたことなどにより、ニューヨーク時間10月5日に、パン・ギムン国連事務総長が11月4日の発効を発表したところです。わが国は、秋の臨時国会に締結案を提出する方向で準備を進めており、11月7日よりモロッコ・マラケシュで開幕するCOP22までには同協定を締結できるよう最善を尽くしています。

3.2030年26%削減に向けた取り組み

わが国は2016年5月に新たな地球温暖化対策計画を閣議決定しています。2015年7月のわが国の約束草案で示した「国内の排出削減・吸収量の確保により、2030年度に2013年度比26.0%削減(2005年度比25.4%削減)の水準」という目標を達成するための対策・施策をまとめたものです。特に、業務その他部門や家庭部門においては、約4割の削減が必要であることから、大胆な施策展開が必要と考えています。
 これらの目標達成のためには、石炭火力発電の動向が大きく影響するため、電力業界における取り組みなどを、環境省・経済産業省がレビューすることによって、目標達成に向けた取り組みの確認を行うこととしています。

4.長期的戦略の検討(2050年80%削減に向けた取り組み)

パリ協定で「長期の低排出開発戦略の提出」が並行して求められていることを踏まえて、地球温暖化対策計画においては、長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すことを規定しています。この実現のため、中央環境審議会では現在、長期低炭素ビジョンの策定に向けた各界有識者のヒアリングを順次実施しているところです。今後、同審議会での議論の結果を政府全体での検討の土台として、長期的戦略の早期提出につなげることを考えています。

5.環境省2017年度概算要求について

環境省では、地球温暖化対策計画などで示した目標の達成に向けて、業務その他部門、家庭部門でのCO2排出削減に向けた施策に引き続き注力する形で、2017年度概算要求を行っています。

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