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「2016年 偽造医薬品対策セミナー」を開催
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まずは税関での「水際対策」

財務省 関税局 業務課 知的財産調査室長の加藤 誠 氏
財務省 関税局 業務課 知的財産調査室長の加藤 誠 氏

偽造医薬品の流入を防ぐ効果的な方法として、税関での輸入差止があります。たとえば、「輸入代行」を名乗る業者から知的財産を侵害する物品が日本のユーザーに送られている場合など、自己の権利が侵害されている事実を確認した際は、税関に「輸入差止申立て」を申請することで、その物品が知的財産を侵害する物品か否かを認定する手続きを取るべきことを申し立てることが可能です。
 財務省関税局業務課の知的財産調査室長である加藤誠氏によりますと、2015年の輸入差止実績では輸入差止件数[6]が2万9274件、輸入差止点数[7]が約69万点のうち、1030 件(3.2%)、約8.9万点(12.8%) が医薬品でした。
 しかしながら、輸入差止申立てをしている製薬会社は一握りしかいません。差止申立制度を利用しているファイザーの池田哲也氏は、「日本の税関は海外に比べて丁寧な検査を行っているためか、小口の侵害品でも発見してもらえている」という経験を共有しました。また、輸入差止申立てについて、以前は9つある各地区の税関で行う必要がありましたが、現在は東京税関等1ヵ所の税関に申立てを行えば、全国を網羅できるようになりました。加藤氏も、本セミナーを機に差止申立制度を利用する製薬会社が増えることを期待しています。

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「輸入差止件数」は、税関が差し止めた知的財産侵害物品が含まれていた輸入申告または郵便物の数。
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「輸入差止点数」は、税関が差し止めた知的財産侵害物品の数。たとえば、1件の輸入申告または郵便物に、20点の知的財産侵害物品が含まれていた場合は、「1件20点」として計上。

啓発活動、多方面連携が求められる

 税関の水際対策では差し止めはできますが、それ以上の追及できないことが難点です。製薬協知的財産委員会偽造医薬品対応タスクフォースリーダーの四本能尚氏は、偽造医薬品流入の経路に沿って、関連する法規について紹介しました。海外での製造販売においては、各国の薬事法や商標法で、日本の税関においては、商標法に基づく関税法で、国内販売業者には、医薬品医療機器等法や商標法で取り締まることができます。しかしながら、個人輸入については、業としての商標の使用に該当せず、税関での取り締まりを困難なものとしています。また、偽造医薬品の販売ウェブサイトについては、プロバイダ責任制限法が関連しますが、プロバイダにウェブサイトを強制的に閉鎖できる場合等を定めたものではありません。このため、偽造医薬品の販売ウェブサイトの取り締まりも困難なものとなっています。

Pharmaceutical Security Institute, Director, Asia Pacific Regionの Samson Chiu 氏
Pharmaceutical Security Institute, Director, Asia Pacific Regionの
Samson Chiu 氏

 そのため偽造医薬品対策にはインターネット監視、個人輸入監視、流通阻止以外に、海外規制当局、プロバイダ、レジストラ等との連携が不可欠です。これはとても1社、1機関では対処できない大きな問題です。国際連携においてはChiu氏の所属するPSIや、インターポール(国際刑事警察機構)、WCO(世界税関機構)などの国際機関の取り組みやレジットスクリプトのような専門機関との連携がますます重要になっています。
 一方で、偽造医薬品に対する一般消費者への啓発活動も重要になります。製薬協ではグローバルヘルスに貢献する「産業ビジョン 2025」のもと、今後とも産学官連携のセミナーやメディア向けのセミナーなどを通じ、偽造医薬品への認識を高める取り組みを展開していきます。

国際委員会 グローバルヘルス部会 偽造医薬品対策チーム

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