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「2016年 偽造医薬品対策セミナー」を開催
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一般社団法人 偽造医薬品等情報センター 事務局長の高梨 宏 氏
一般社団法人 偽造医薬品等情報センター 事務局長の高梨 宏 氏

一般消費者にとって、数多くある医薬品が本物であるか偽物であるかを識別することは、不可能といっても過言ではありません。加えて、あたかも正規ウェブサイトであるかのように装った不正ウェブサイトが多数存在しています。そのため、非正規ルートで医療用医薬品を入手した患者さんは知らずに偽造医薬品を服用し、予期せぬ健康被害に遭う恐れがあります。また、国外の不正ウェブサイトで販売されている海外医薬品に関する品質や有効性および安全性を確認する保証がないことから、副作用や不具合などが起きると、適切な対処が困難になります。実際、日本においても、偽造医薬品によって数々の健康被害が報告されており、因果関係は定かではありませんが、重篤な有害事象が発現したケースも出ています。高梨氏は不審な医薬品を見つけた場合「あやしいヤクブツ連絡ネット」[3]まで通報するよう、注意喚起と協力を広く呼びかけました。

mark [3]
あやしいヤクブツ連絡ネットhttp://www.yakubutsu.com/

「個人輸入代行業者」は日本の盲点

日本における偽造医薬品の流通の背景には、個人輸入制度の抜け穴が利用されているという事実があります。本来、国内では「個人輸入」は個人に限り行えるものであり、医薬品医療機器等法の規制の範囲外です。それに乗じてインターネットで個人輸入代行業者と名乗り、海外から直接ユーザーに偽造医薬品を販売している違法販売ウェブサイトが相次いで出現しています。この動きの背景には日本の個人輸入制度が、欧米や中国よりも寛容になっているという事情があります。レジットスクリプトのアジア政策・執行部長である岡沢宏美氏によると、欧米や中国と比べて日本の個人輸入は、以下のに示した違いがあるようです。

表 「個人輸入」制度における欧米・中国と日本の違い
表 「個人輸入」制度における欧米・中国と日本の違い
レジットスクリプト アジア政策・執行部長の岡沢 宏美 氏
レジットスクリプト アジア政策・執行部長の岡沢 宏美 氏

さらに、アメリカでは医師による個人輸入は原則的にできませんが、日本ではアメリカのような規定がなく、個人輸入を通じて偽造医薬品が流入するリスクが存在します。
 岡沢氏によると、確認された日本語不正ウェブサイト2300件のうち、昨年1年間で1900件以上が閉鎖されました。しかしながら、不正オンライン薬局は、他のドメイン名を取得して消されないレジストラ[4]を探して登録しています。その結果として、現在日本語不正ウェブサイトの3分の2(1600件以上)が1つのレジストラに集中しており、レジットスクリプトによる削除要請にも非協力的です。不正オンライン薬局ビジネスには、ウェブサイト運営者だけでなく、薬提供元、アフィリエイター、広告会社、ブログ会社、インターネットオークション会社、オンライン決済会社、運送業社など、さまざまな企業が関与しており、健康問題としての認知と倫理的問題意識を高める必要があります。
 岡沢氏は、非協力的なレジストラ、広告会社への責任追及、ならびにオンライン決済会社に協力要請をするよう業界が団結することが重要であり、製薬会社には自社製品が不正販売されていないか把握して適正な対応を取ること、商標の悪用を監視すること、患者さんへの正確な情報を提示すること、SEO対策[5]を行うことなどについて呼びかけました。


mark [4]
レジストラとは、インターネット上の住所にあたるドメイン名の登録申請を受け付ける組織。申請された登録データは、そのドメイン領域のデータベースを管理する「レジストリ」という機関に登録される。
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Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジン(検索ウェブサイト)で正しい情報が上位に表示されるための対策のこと。
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