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「第7回 環境技術研修会」を開催
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2016年1月26日、日本橋ライフサイエンスビルディング(東京都中央区)において「環境技術研修会」を開催しました。同研修会では「環境関連規制の現状と今後の最新動向」をテーマに4名の講師が講演を行い、製薬協会員会社の51名が聴講しました。以下にその講演の概要を報告します。

会場風景
会場風景

東泰好 氏

■講演1

「医薬品の環境影響度評価-現状と今後の課題」

日本リスクマネジャネットワーク 東 泰好

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背景

私たちが病気やけがの治療・予防の目的で使用した医薬品が、河川などの水環境中で多数検出されています。排泄物、風呂やシャワー排水を介して排出される使用後医薬品、未使用で廃棄される医薬品が主な起源であるとされています。
 環境中の医薬品による懸念事項として、第1に、飲用水や食物を介してのヒト健康への影響が考えられますが、想定曝露レベル(摂取量)と薬効または有害作用(毒性)の発現がみられる服用量の比較から、直ちに悪影響を心配する必要はないというのが多くの専門家たちの見解です。しかし、これまでの研究では複数の医薬品による複合影響の評価はされておらず、また、感受性の高い人々(妊婦・胎児や化学物質に過敏な反応を示す人々)における安全性の確認もなされていないことから、今後、より詳細な研究が必要であると考えられます。
 第2に、生態系に対する影響があります。最近の研究では、実際に環境中で検出されているのと同程度の濃度で水生生物に対して悪影響が認められる医薬品があることが示されており、ヒトへの健康影響の場合と同様に複合影響についても考慮する必要があることを考えると、生態系に対する影響に関してはより慎重に検討される必要があると考えられます。また、環境中に排出された抗菌薬や抗ウイルス薬による薬剤耐性形成の問題を指摘する声もあり、研究手法の確立が急がれます。
 報告されている水環境中での検出濃度は概して低く、医薬品の種類や調査の時期と場所などにより変動しますが、一部の例外を除き多くは ng(ナノグラム)/l(リットル)のオーダーです。このような低濃度で環境中に存在する医薬品がヒトの健康や生態系に対してどのような影響を及ぼすかに関する研究は十分ではなく、リスク管理のために必要となる科学的知見の蓄積は乏しいといわざるを得ない現状にあります。

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