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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「医療におけるビッグデータの利活用:PMDAのMIHARI ProjectとMID-NETについて」
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以上のような現行制度における限界を鑑み、電子診療情報により薬剤疫学的手法を用いた定量的評価による安全対策を実施するため、MIHARI Projectが開始されました。MIHARI Projectでは、ナショナルレセプトデータや健康保険組合のレセプトデータ、DPCデータ、電子カルテなどのさまざまな医療データを用いて多角的に分析することを目指しており、2009年度より試行を開始し、2015年度から安全対策への活用を開始しました(表1)。
 MIHARI Projectにおける分析では、ある薬剤を使用した患者(分母)と副作用が発現した患者(分子)のデータを抜き出すことができ、医師の報告に依存せず、副作用発生頻度も算出可能です。現行制度ではできなかった他剤との比較や原疾患による症状か副作用かどうかの評価、安全対策が浸透しているかどうか、などがわかるようになると期待されます。
 このような各種データベース(DB)を活用した安全対策は各国で取り組みが進んでおり、日本でも早く実装できるようにする必要があります。

表1 MIHARI Projectでの分析事例

表1 MIHARI Projectでの分析事例

医療情報の二次利用における留意点を以下に示します。

(1) 医療情報自体は個々の患者の医療のためのものであり、安全対策を目的としたものではないので限界があること
(2) 目的に合ったDBを選定し、おのおののDBの特性、限界を十分理解して、利活用することが重要
(3) 対象集団や曝露(薬物の投与)、アウトカム(副作用などの発現)の特定の方法の妥当性については慎重な評価が必要(バリデーションの実施)
 特に難しいのは(3)です。たとえばA薬を投与した患者で急性腎不全が起きた人を抽出したい場合、急性腎不全という疾病名や急性腎不全に対する治療薬、処置オーダー、腎機能の検査値などの条件を定義して拾い出します。しかし、検査目的で急性腎不全と記載したが、検査の結果、急性腎不全状態ではなかった場合もあります。疾病名だけではなく、治療、検査値などをうまく組み合わせた条件定義が必要なのです。どのような条件を定義すれば適切に該当者を拾い出せるのか、試行錯誤しながらバリデーションを実施し、確度を高める必要があります。

3.MID-NETの構築事業

MIHARI Projectのうち、医療情報をネットワーク化する新しいDBの構築がMID-NETです。医薬品等の安全対策に活用するため、2011年度より厚生労働省の事業として、10拠点23病院にDBを構築し、PMDAに分析システムを構築しています。本格稼働は2018年度で、300万人程度のデータになる予定です。また、PMDAだけなく、研究者や製薬企業による利活用や安全対策以外の利用(医薬品開発戦略など)も想定されており、今後検討される予定です。本事業の財源は国費と製薬企業からの安全対策拠出金によっています。本事業に参加する10拠点23病院は北海道から九州まで、全国を広くカバーしています(図1)。

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