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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「医療におけるビッグデータ:今後の展望と活用」
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3つ目はVariety(多様性)です。人間の生命活動、健康状態、医療や検診の受診などの人為的な事象、室内環境、ソーシャルキャピタルや医療機関へのアクセスのしやすさといった地域的要因などの多様なデータを集積することにより、人間が病気になる原因を解析することが可能になり、予防や治療ができるようになります。
 4つ目はVeracity(正確性)です。データが膨大になれば偏りが減りますし、データの抽出バイアス・選択バイアスも解消されます。ただし、ビッグデータが膨大であれば正確であるというわけではありません。ビッグデータが正確であるために真の値からのバイアスが少ないことが必要となりますし、測定バイアスにも注意が必要です。
 これらの4Vsという特徴を持つビッグデータを賢く、慎重に活用できれば、私たちは新たなVision(視野)を得て、新たなValue(価値)を創り出していくことができるでしょう。

図1 ビッグデータ : その特性と意義

図1 ビッグデータ : その特性と意義

2)医療ビッグデータと大規模データベース

単なる「ビッグデータ」とは未整備な膨大な素材の集まりと言えます。これに対して、「大規模データベース」とは、構造化されたビッグデータと言われています。わが国では、2002年に診断群分類(Diagnostic Procedure Combination、DPC)制度が導入されています。2011年までに878万件のDPCデータが蓄積されています。
 また、2008年の「高齢者の医療の確保に関する法律」の成立で、都道府県ごとに医療費適正化計画が策定されるとともに、特定健診・特定保健指導が導入されて診療報酬明細書(レセプト)情報や特定健診等のデータの集積が急速に進みました。そして、2011年には遂に全医療機関の電子化への義務的移行がなされました。なお、特定健診のデータとレセプトデータを突合させることが当初の大きな眼目であったのですが、残念ながらまだ20%前後しか突合されていません。
 薬害対策もビッグデータへの大きな推進力となりました。2010年4月に提示された薬害肝炎検証・検討委員会の最終提言「薬害再発防止のための医薬品行政等の見直し」においては、「電子レセプトなどのデータベースから得られた情報を活用して薬剤疫学的な評価基盤を整備することや、個人識別子等を用いて電子カルテ等のデータへの連携や高度な分析への活用を可能にすることが検討されるべき」と、指摘されています。かつては疫学研究をはじめるには、まず一次情報を各地の医療機関から収集するところからはじめなければなりませんでしたが、データベースにアクセスすれば解析できる世の中に向けて一歩ずつ進みはじめました。薬剤の副作用問題に適切に対処するためには、データベースを活用して迅速に知見を得ることが極めて重要です。

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