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「骨太方針2015」について
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日本製薬工業協会 専務理事 川原 章

2015年6月30日「経済財政運営と改革の基本方針2015」いわゆる「骨太方針2015」が閣議決定されました。今回の「骨太方針2015」には、財政健全化に重きを置く考えから、研究開発型製薬産業にとって非常に大きな影響を及ぼすことが危惧されている施策が多くみられます。最終的には、「財政健全化」のみならず、「経済再生」、「社会保障制度の持続可能性の確保」のいずれの目標も目指すことが明確に示されました。今後、年末の予算編成等の中で、具体的にどのようなバランスに基づく施策として実施されていくことになるのか慎重に注視していく必要があります。

1.はじめに

本年6月30日「経済財政運営と改革の基本方針2015」(いわゆる「骨太方針2015」)が閣議決定されました。「骨太方針」といえば、昨年の「骨太方針2014」に“薬価調査、薬価改定のあり方について、診療報酬本体への影響にも留意しつつ、その頻度を含めて検討する”という文言が盛り込まれ、業界関係者の間から毎年改定への布石ではないかとの強い反発を招いたことも記憶に新しいでしょう。また、遡って「骨太方針2006」では、それ以降の5年間において社会保障関係費の増加の一律抑制が実施され、これが医療現場の荒廃を招来したとの指摘が行われたことを記憶されている方も多いと思われます。
 今回の「骨太方針2015」についても、その決定過程において、さまざまな議論が行われましたが、最終的に「経済再生」、「財政健全化」、「社会保障制度の持続可能性の確保」のいずれの目標も目指すためということが基本的な方向性として示され、閣議決定されたものであることを十分認識する必要があります。
 したがって、「骨太方針2015」の内容を十分に理解するとともに、今後の具体的な施策の決定に向け、上記の基本的な方向性に照らし、いかなる議論が、バランス良く行われていくかどうかについて慎重に注視していく必要があります。
 たとえば、毎年改定の議論についていえば、当初予定されていた2015年10月の消費税の税率引き上げに関連して、「骨太方針2014」の記述から毎年改定の議論の先行きが心配されたことは記憶に新しいでしょう。しかし、2014年暮れ、消費税率再引き上げ(8%→10%)は2017年4月に1年半ほど先送りされることが決定し、毎年改定をめぐる議論も先送りされることとなりました。この毎年改定については製薬協がすでに2014年5月27日に会長声明を発信し、業界としては関係団体とともに強い反対の姿勢を明らかにしており、今後も関係団体とともに、引き続き議論の推移を注視していく必要があります。
 なお、本稿ではこの「骨太方針2015」について概観しますが、これら多くの事項は次期薬価制度改革に向けた今後の中医協での議論に委ねられる部分も多いことから、詳細は別稿の「次期薬価制度改革に向けて」(製薬協ニューズレター169号 寄稿)を参照ください。

2.副題と全体の章構成(医薬品関連部分)について

これまでも医薬品業界に大きな影響を及ぼす内容も数多く盛り込まれてきましたが、全体は正式のタイトルの通り「経済財政運営と改革の基本方針」をまとめたものであり、経済財政諮問会議を中心とした関連の会議体での経済財政運営に関する全体的な議論を踏まえてまとめられ、閣議決定されたものです。「骨太方針2015」自体は本文44頁にもわたる文書であり、わが国の経済財政の現状分析や今後の課題などに関する取り組み等について、成長戦略、女性活躍、教育再生、地方創生、外交、安全保障、防災、治安、地球環境など、ありとあらゆる角度からの議論がまとめられています。また、副題として「~経済再生なくして財政健全化なし~」が付されており、財政の健全化を優先するあまり経済再生が損なわれるようなことがあってはいけないという安倍政権基本姿勢が示されています。章構成としては下記の通りですが、特に、この中の「第3章」の「5.主要分野ごとの改革の基本方針と重要課題」の部分の「[1]社会保障」において薬剤費抑制・削減を集中的に取り上げた記述が見られます。

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