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「製薬協メディアフォーラム」を開催
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リンパ系フィラリア症は今でも東南アジア地域で流行しています。エーザイは世界保健機関(World Health Organization、WHO)と治療薬無償提供に関する共同声明に調印し、自社で開発・製造したジエチルカルバマジンクエン酸塩(diethylcarbamazine citrate、DEC)を2013~2020年で22億錠提供することで合意しており、フィラリア症に対する日本のアクティビティは世界にとって非常に重要なものになっています。
 最近のマラリアのトピックとして、東南アジアの一部の地域で蚊がサルのマラリア原虫を吸って人に感染させるという事象が多くあります(図2)。四日熱マラリアだと思っていたものが実際はこのサルマラリア原虫(プラスモディウム・ノウレシ)の感染症であって命を失うといったことが散見されています。

図2 サルマラリア

図2 サルマラリア

日本では2012年にはじめてサルマラリアの症例が報告されていますが、今のところ人から人への感染は証明されておらず、もし証明されれば第5のヒトマラリアということになります。
 もう1つのマラリアのトピックは朝鮮半島における三日熱マラリアの流行です。特徴は夏の間だけ患者数が増えるということです。その理由は蚊から入った原虫が冬の間肝臓の中で休眠して翌夏に発症するという新たな生態を得たためと考えられています。
 日本でも朝鮮半島と同種の原虫を媒介するシマハマダラカが南方に多く生息しており、仮に韓国から原虫を血中に残したまま訪日された方が日本で蚊に刺されて、それが感染すると、渡航歴もないのに翌夏に三日熱マラリアを発症するという可能性があります。
 新興・再興感染症については2003年の重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome、SARS)の突発的な流行により意識されるようになりました。現在はエボラウィルス病が世界的な拡散に至るかどうかが注目されていて、これをいかに地域内に封じ込めるかということに、われわれ研究センターは腐心しており、帰国した感染疑いのある患者さんを高度に密閉された空間に封じ込めるだけではなく、専門家を現地に派遣し防護服の装着や患者さんとの接触、遺体の扱い方などの指導でも貢献しています。
 昨年11月には日本熱帯医学会と日本国際保健医療学会から「エボラウィルス病に関する声明」が発表され、1月に行われた「日経アジア感染症会議」では富山化学工業のファビピラビルがいかに早く承認され、世界で使用できるようになるには、ということが大きな話題になりました。
 再興感染症の代表例としてはデング熱があります。これは現在、世界の人口の40%以上、25億人以上が感染リスクを有する世界的な感染症です。デングウイルスは年間平均気温11℃以上の地域に生息するネッタイシマカが媒介となります。日本では現在その分布は確認できず、代わりにヒトスジシマカが媒介となっています。日本のヒトスジシマカの分布は平均気温12℃と相関しているそうで、青森県がその境界になっており、本州以南の地域であればどこでも、今年の夏に突発的にデング熱が発生するということがあり得ます。

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