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医療健康分野のビッグデータ活用の現状と課題
−ビッグデータが医療の概念を変える−
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コホート研究(バイオバンク支援・協力を含む)は現時点では最も大きな成果が期待されるビッグデータの研究分野です。現在、主だったものだけでも約80のコホート研究、3つのビッグバイオバンク事業が日本で推進されています。個々のコホート研究においてその研究は蓄積され、その成果を使った種々の取り組みがはじまろうとしています。
 広域のコホート研究の代表的なものとしては、「大規模多目的コホート研究(JPHC Study)」、「日本多施設共同コホート研究(J-MICC Study)」、「子供の健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」などがあります。
 JPHC Studyは国立がん研究センターを中心に1990年から開始された健常者コホート研究であり、13万人の調査対象、6万人の血液検体を持ち、特に生活習慣とがん発症や循環器疾患罹患についてのエビデンス構築に寄与しています。2011年からはJPHC-NEXTとして、バイオマーカーを取り入れて10万人対象の新たなコホートを開始しています。
 J-MICC Studyは1988年に開始された大規模コホート研究(JACC Study)を前身として、フォローアップデータにゲノム解析などを実施することによって病因の解明や病気の新規分子マーカーの発見などの成果を出しています。現在約10万人を対象として追跡調査を継続しています。
 エコチル調査は胎児期から小児期にかけて、化学物質暴露が子供の健康に与える影響を解明するための長期大規模コホートであり、全国15地域の大学などが参加しています。2011年1月より10万組の親子のコホートを実施中で、13年間を追跡期間としている。近年増加している子供の喘息やアトピー、発達障害等の疾病に対する環境因子、遺伝子因子等の影響を検討します。
 また、2013年よりはじまった東北MMB(メディカルメガバンク)のコホート研究は健常者を対象に、3年間で住民8万人、3世代コホート(新生児、父母、祖父母)7万人を目標にデータ集積を開始しています。また、日本人遺伝子研究のベースとなる健常者ホールゲノム分析をバイオバンクジャパンと連携して1,000人実施しています。
 そのほかにも地域での種々の個別目的をもったコホート研究が行われています。長期間の患者追跡を行っている久山町Study(約1万人;患者、健常者)や長浜コホート(1万人、多因子疾患患者、健常者)などが知られています。ゲノムコホートを取り入れて、疾患候補遺伝子の発見などの成果がみられています。
 これらの研究の下支えとなっているのが3大バイオバンク(表3)の活動であり、日本のオミックス研究(ゲノムをはじめとした生体分子研究)の基盤的役割を果たしています。

表3 日本の3大バイオバンクの特徴

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