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「第21回 環境安全セミナー」を開催
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製品評価技術基盤機構 理事 河本 光明 氏
国立環境研究所
地球環境研究センター
気候変動リスク評価研究室
室長 江守 正多 氏

■ 特別講演2

「地球温暖化問題と社会の意思決定」

独立行政法人 国立環境研究所 地球環境研究センター
気候変動リスク評価研究室 室長

江守 正多

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1. IPCC第5次報告書と温暖化の現状

IPCCは、気候変動(地球温暖化)について、何がどの位わかっているかを評価する政府間機関であり、依頼された研究者が公表された研究を評価し報告書を作成します。2013年9月から2014年4月に公表された第5次報告書では、科学的根拠(Working Group、WG1)、影響・適応・脆弱性(WG2)、緩和策(WG3)が報告されました。
 この中で、温室効果ガス濃度と世界平均気温・海面水位は20世紀に急激に上昇していること、その原因として「20世紀半ば以降の世界平均気温の上昇の半分以上は人為起源の要因による可能性が極めて高い」ことが報告されています。また、今後、予想される100年後の気温上昇は、社会の発展の仕方と対策の有無によって大きく変化すると考えられています。また、温暖化に伴う海面水位上昇の幅も、対策の有無によって変化すると予想されています。
 温暖化の影響の一部は、気候の極端現象(異常気象)として現れ、将来、その頻度の増加が見込まれています。温暖化による主要なリスクとして、「沿岸災害被害」、「洪水・健康被害」、「暑熱影響」、「食料・水不足」などが挙げられています。

2. 適応策

すでに起こっている、または、将来予測される気候変動およびその影響に対して、損害を和らげ、回避し、または有益な機会を活かそうとする調整の過程が適応策であり、今後、実施する必要があります。また、社会のレジリエンス(強靭さ)向上、特に途上国の開発のための政策に組み込むことが重要となります。
 適応策の例 :「農業⇒作付けの変更、品種改良」など

3. 気候変動対策の国際的合意

2010年に開催された「第16回 気候変動枠組条約締約国会議(COP16)」では、「産業化以前からの世界平均気温の上昇を2℃以内に収める観点から温室効果ガス排出量の大幅削減の必要性を認識する」と合意されています(COP16カンクン合意)。
 一方、温暖化を2℃以内で抑えるためには、世界全体の排出量を現状に比べて2050年までに半分程度まで削減し、さらに今世紀後半に世界全体の排出量はゼロに近いか、マイナスにする必要があるとされています。
 また、世界平均気温の上昇量が、二酸化炭素の累積排出量と比例することから、平均気温上昇の上限を設定すれば累積排出量の上限が決まるとされており、この考え方に基づいて、二酸化炭素以外の効果も考慮すると、産業化以前からの世界平均気温上昇をさまざまな確率で2℃以内に抑えるためには、820炭素ギガトン(GtC)の累積排出量が上限となります。2011年までに、すでにおよそ515炭素ギガトン(GtC)排出していることから、残りの容量はそれほど残っていないことになります。

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