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リスクに基づくモニタリング(RBM)の導入上の課題と留意点  第1回〈全2回〉
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一方で、データ収集に訪問が必要な場合には、定期的な施設訪問の頻度を減らすと、リスクに応じた施設訪問の必要条件であるデータの逐次性が失われてしまいます。したがって定期的な施設訪問頻度は維持すべきです。定期的に施設訪問を行っていれば、中央モニタリングで施設のリスクを評価する意味は少ないため、訪問時に徹底的なモニタリングを行います。中央モニタリングの利用は、施設訪問時のモニタリングでは検出しにくい部分にとどめるべきでしょう。
 RBMでは、施設ごとのリスク評価にあらゆる利用可能なデータを用いることが推奨されます。EDCに限らず、音声自動応答システム(Interactive Voice Response System、IVRS)などの被験者登録・割り付けにかかわるデータ、必須文書の入手状況など、電子化が進んでいればあらゆる治験にかかわるデータが利用可能とも考えられます。
 エラーの許容範囲は一概には決められません。エラー率が0.1%だったとしても、そのエラーが結論に影響を及ぼすものであれば許容できませんし、結論に影響しない軽微なものであれば30%のエラー率でも許容されるかもしれないからです。どの程度のエラー率まで許容できるかは、リスク評価の段階で考慮すべきで、治験実施計画書や症例報告書(Case Report Form、CRF)の作成にあたっては、リスク・アセスメントで特定されたリスクの回避または軽減策を盛り込む必要があります。
 治験データの品質マネジメントにおいて、入念な事前準備は最も重要な要素であり、事前準備が不十分な場合には、治験実施中に是正・予防措置を繰り返し行う必要があり、それに伴いモニタリングの負荷も大きくなります。 これらの事前準備の要素は、データ収集手法を問わず取り入れ、試験の品質を向上させるべきです。

リスク・アセスメント

ライン

Q. いつ、誰が、何を、どうやって検討するのですか?

Q. 結果を何に使うのですか?

Q. 一度評価したリスクは変えてはいけないのですか?

ライン
A

品質リスク・マネジメントの1つのモデルである「ICH-Q9」ガイドライン[9]では、リスク・アセスメントはリスク・マネジメント・プロセスのはじめの一歩として記述されています。RBMは品質リスク・マネジメントの治験版といえるので、リスク・アセスメントはプロセスのはじまり、つまり治験開始の初期(準備)段階に実施します。リスク・アセスメントの実施には、モニタリングを実施するモニタリング担当者(Clinical Research Associate、CRA)や品質管理担当者、前臨床の担当者、治験薬製造担当者、薬事担当者、ライティング担当者、データ・マネジメント(Data Management、DM)担当者、統計担当者など治験に携わるさまざまなメンバーがかかわります。
 リスク・アセスメントを行う際、まずは治験におけるさまざまな状況をイメージしながらICH-Q9ガイドラインにある以下の3つの質問を考えてみてください。

何がうまくいかないかもしれないのか?
うまくいかない可能性はどれくらいか?
うまくいかなかった場合、どんな結果(重大性)となるのか?

 これらの質問に対する答えをもち、次に挙げる3つのステップでリスク・アセスメントを行っていきます。

mark [9]
「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」,薬食審査発第0901004号/薬食監麻発第0901005号,平成18年9月1日

【ステップ1:リスクの特定】

リスクの特定では、「何がうまくいかないかもしれないのか」の答えとして浮かんできたものをすべて書き出します。この時、その答えを影響範囲によって大きく3つに分類しておきます。

その治験薬のすべての臨床試験にかかわるもの(プログラムレベル)
その臨床試験全体にかかわるもの(治験実施計画書レベル)
特定の実施施設のみにかかわるもの(施設レベル)

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