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CIOMS ワーキング・グループ Ⅵ 報告書 第4章より

「臨床試験における安全性データの収集と管理」の紹介 第2回〈全3回〉
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5. 臨床検査値象
 早期臨床試験では、毒性のサロゲートマーカーとして、臨床検査値を用いることが非常に重要である。造血系 (全血算や分画)、生化学(筋骨格、腎臓、肝臓、心血管、脂質代謝など)、尿検査などの臨床検査値は、すべての早期臨床試験で収集されるべきである。早期の毒性試験の結果によっては、内分泌系、凝固系、免疫系、生殖系などに的を絞った臨床検査が必要な場合もある。ある種の臨床検査パラメータは特に注目すべき有害事象にもなり得、通常よりも高頻度に検査を行い、評価することが必要になる場合もある。

6. 有効なエンドポイントとしての罹患率と死亡率
重大な罹患や死亡にかかわる疾患(がん、敗血症、エイズなど)の病態を扱う試験では、医学的に予想されるある種の事象を、有害事象としてではなく、有効性アウトカムとして収集するほうが適切である場合がある。乳がんの進行による死亡などがそうである。このような予想される臨床的エンドポイントが設定されていない試験では、死亡につながるどのような事象も重篤な有害事象と考えられる。有効性アウトカムとして収集すれば、重い疾患の試験において、疾患に関係するすべての重篤な有害事象を報告しなければならない医師の負担はいくらか軽減されるだろう[3]。収集方法は、重篤な有害事象の収集方法とは異なり、より簡潔(データがより少ない)であったり、まとめて(迅速ではなく週単位など)であったりする場合もある。収集の手順はプロトコルに明確に説明されるべきである。ICH E2Aガイドラインは、そのような状況を管理するための条件を述べている。そのような手順に従えば、(いくらか問題があることは認めざるを得ないが)アウトカムの情報は臨床試験データベースにのみ入力し、多くの企業が重篤な有害事象や市販後の自発報告を別に蓄積しているデータベースには入力されない(d.2.節、f.節を参照)。一方、規定された有効なエンドポイントの事象と同時に因果関係を疑われる重篤な有害事象を患者が経験した場合には、すべての情報が両方のデータベースに入力されるべきである。

[訳者注]

ICH E2Aでは、3.4「ブラインド治験症例の取り扱い」の中で「しかしながら、致死的またはそのほか何らかの重篤な転帰が有効性の主要評価指標である場合は、盲検性が破られるとその試験の信頼性に問題が生じる可能性がある。このような、またはこれに類似する状況の場合には、重篤な有害事象のうち、疾患に関連する事象として取り扱い、通常の緊急報告の対象とはしない事象について、治験依頼者と規制当局との間であらかじめ取り決めをしておくことが適切であることもある」とされている。

mark [3]
Nichas I. Clinical Trial Safety Surveillance in the New Regulatory and Harmonization Environment: Lessons Learned from the "Fialuridine Crisis", Drug Information Journal 1997; (31): 63-70.






CIOMSワーキング・グループ Ⅵ の推奨:
  予想されていた医学的に重篤な臨床事象を有害事象としてではなく、有効性のアウトカム/エンドポイントとして収集した場合であっても、これらのデータは医師が記録し、スポンサーやデータ安全性モニタリング委員会(DSMB;Data Safety Monitoring Board)に定期的に報告しなければならないし、プロトコルで規定されたスケジュールに従い、スポンサーやDSMBはこれをレビューしなければならない。

プロトコルには、どの程度迅速に、どの程度の頻度で報告するかを規定するべきである。また、どのような頻度で、どのようにレビューされるか(盲検下か盲検解除の下か)、必要に応じてDSMBの利用も含め、誰がレビューするのかが明確にされるべきである。そのようなレビューの過程で、試験治療が臨床的アウトカムを悪化させるという意図した効果と逆の効果をもたらさないかを考えることが重要な場合がある[3]。試験開始前に、試験のエンドポイントがどのように報告されるかに関して試験に参加するすべての国の規制当局と合意しておくべきである。

7. 特別な状況
 情報がたとえ有害事象と考えられなくても、その医薬品の安全性についての全般的な知見に寄与する可能性がある場合には、医師はスポンサーに迅速に伝えるということを認識しておくべきである。たとえば、プロトコルで定められた用量(特に推奨される用量より高い用量)からの逸脱は、これに関連する事象がなくても、重篤な有害事象(Serious Adverse Event、SAE)と同じ時間枠でスポンサーに報告されるべきである。投与経路の誤りを含め、投薬ミスも迅速に報告されるべきである。会社によっては、そのような情報を収集するために便宜上、各社独自のSAE様式や別の様式を用いる場合がある。

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