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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「医師主導臨床試験と企業治験の違い」
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臨床研究と臨床試験を図式化すると、このようになります。治験とは医薬品や医療機器の製造販売承認のための資料の収集を目的とする臨床試験を指します。
 創薬には長い時間をかけた試験が実施されます。薬の素となる新規物質の発見と創製にあたる基礎研究に2〜3年、非臨床試験(製剤学的試験、毒性試験、薬理試験、薬物動態試験など)に3〜5年、その後ヒトを対象とした有効性と安全性の試験である臨床試験(治験)に3〜7年かかります。臨床試験の中の第1相(フェーズⅠ)は少数の健康な人を対象に、副作用などの安全性について確認します。通常は健常成人男子を対象に実施されますが、抗がん剤などの場合は患者さんを対象に実施されます。次に第2相(フェーズⅡ)において、少数の患者さんを対象に有効で安全な投薬量や投薬方法などを確認します。さらに第3相(フェーズⅢ)において、多数の患者さんを対象に有効性と安全性について標準薬やプラセボとの比較を行います。
 これだけの試験を実施すれば治験により医薬品のエビデンスは万全でしょうか。
 治験の限界(制約)を表現する「Five Too's」と呼ばれるものがあります。

Too few:一般に治験は多くとも2,000名程度までの規模で実施されるので決して十分な人数における検証が行われているわけではありません。
Too simple:複雑な症例やほかの薬を使っている場合などは治験への組み入れへの除外対象となるため、それらのエビデンスを得ることはできません。
Too median-aged:通常は20代から70代の年齢層で実施されますが、子供や80歳以上の高齢者は除外されます。
Too narrow:いったん発売されると、ほかの疾患を併発した人などにも使用されますが、それらのエビデンスを治験で得ることはできません。
Too brief:通常、治験は長くても1年程度の期間で実施されることが多いため、長期間使用した場合の安全性や有効性に関するエビデンスは不十分です。

上記の限界をカバーするために、製造販売後の調査や臨床試験が実施され、発売後の安全性や使用法のチェック、薬の改良と開発に活用されています。しかしながら、実臨床における効果やヘテロな集団における効果を検証するためには、さらなる研究が必要とされるのです。

3.Efficacy TrialとEffectiveness Trial

Efficacy TrialとEffectiveness Trialについては適当な日本語訳がないため、英語のまま使用しますが、先述の治験はEfficacy Trialに該当します。現在、社会的に問題になっている臨床試験はEffectiveness Trialで、実臨床の条件下における薬の効果を検討する試験を指します。

図2 Efcacy Trial( Explanatory Trial) と
Effectiveness Trial( Pragmatic Trial) の比較

 
Efcacy Trial
Explanatory Trial
Effectiveness trial
Pragmatic Trial
目的
最適~限定的条件下で薬が効くか否か (whether an intervention "can" work) の検討
実臨床の条件下における薬の効果(whether an intervention "does" work) の検討
研究デザイン
ランダム化二重盲検比較試験
ランダム化比較試験
(オープン試験のこともある)
選択・除外基準
限定された集団
合併症、併用薬などに制限あり
実臨床の患者
制限は緩いことが多い
サンプルサイズ
小・中規模
目的により様々
検出力を高めるためには大規模が必要になることあり
具体例
治験
true endpoint の検証

景山 茂、臨床試験の考えかたと分類、CRCテキストブック 第3版 日本臨床薬理学会 編 2013年 p.81-8

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