医薬品評価委員会 2023-36 ePRO使用時の個人情報の取り扱い

関連分類:その他

初回公開年月:2024年02月

質問

最近の治験はPRO評価、患者日誌が多く、専用のタブレットまたはご自身のスマートフォンからサイトへアクセスして日誌やアンケートを実施するという治験が増えております。

ご自身のスマートフォンを使用する場合、個人のメールアドレスを登録する場合の留意点がございましたら、ご教示いただけると幸いです。
また、ご自身のスマートフォンにアプリをダウンロードする場合と個人のメールアドレスを日誌専用のスマートフォンに登録する場合、施設側として、事前に依頼者への確認または同意説明文書への明記、IRB対応など対応すべきことをご教示いただきたく存じます。

個人情報保護の観点からも、施設側で留意すべき点を把握できれば幸いです。

製薬協見解

患者個人のメールアドレスを登録する際の注意点について見解を以下に示します。
メールアドレスのユーザー名及びドメイン名から特定の個人を識別することができる場合(例:Seiyaku_kyoko@example.com)、当該メールアドレスは、それ自体が単独で、個人情報に該当します。これ以外の場合であっても他の情報と容易に照合することにより特定の個人を識別することができる場合、当該情報とあわせて全体として個人情報に該当することがあります。

個人情報に該当する場合は、個人情報保護法も順守することが必要です。すなわち、以下の点に注意をする必要があります。
1. 個人情報を入手する目的を特定してその範囲内で利用する。また利用目的を被験者に通知し、同意を取得する。
2. 個人情報が漏洩しないよう適切に保管、管理する。
3. 第三者に提供する場合は、あらかじめ被験者本人から同意を取得する。提供国が決定している場合は外国の名称,当該国における個人情報保護に関する制度に関する情報、当該第三者が講ずる個人情報の保護のための措置に関する情報が説明文書に記載されていることを確認する。同意取得時点で提供国を特定できない場合でも、提供先の国を特定できない旨とその理由が記載されていることを確認する。
4. 被験者本人から開示等の請求があった場合は、これに対応する。

そのため、当該治験の説明文書には上記個人情報保護法を順守するための事項を記載することはもちろんのこと、自身のスマートフォンが使用される場合には、どのような情報が取得されるのか、またその取扱いも説明文書に記載の上、被験者から適切に同意を取得することが大切と考えます。

必要に応じて、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版(令和5年5月)もご参照ください。

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