医薬品評価委員会 2021-01 治験契約前における患者への治験情報の提供(その2)

関連分類:治験契約手続き

初回公開年月:2021年07月

質問

契約症例1例等の希少疾患の患者さんで、治験審査委員会や契約前にあらかじめ患者さんに治験のお話をして、カルテ記載されてしまった事例があります。内容としては、治験全般ではなく、治験実施計画書に記載されている内容に踏み込んだ内容になります。

治験審査委員会や契約前に治験実施計画書の内容に踏み込んだ話をしたことがカルテ記載されてしまった場合は、もう治験には参加出来ないのでしょうか。

質問番号2008-45も拝見しました。治験実施計画書の内容に踏み込んで話してしまった場合、もう治験の同意取得は不可なのでしょうか。救済策は無いのでしょうか。

製薬協見解

2008-45にも述べましたが、治験審査委員会による承認取得及び治験契約締結の前に、治験行為(被験者募集やインフォームドコンセント、スクリーニング等)を始めることはできません。

ご質問のケースですが、先生が患者さんに治験のお話をした目的および内容にもよりますが、その目的が被験者のスクリーニングやインフォームドコンセントではなく、あくまで、今後の治療の選択肢の一つとして"予定している治験"に関する情報を提供したのみであれば、その旨がわかるよう、診療録に記載したうえで、治験審査委員会による承認取得及び治験契約締結の後に、承認された説明文書を用い、必要事項を全て説明し適切なインフォームドコンセントを取得することで治験へ参加することは可能と考えます。なお、GCP第52条第2項ガイダンス1では「治験責任医師、治験分担医師及び治験協力者は、治験への参加に関し、被験者となるべき者に強制したり又は不当な影響を及ぼさないこと」とありますので、患者さんへの"予定している治験"に関する情報提供が、患者さんにとって治験の参加を暗に強要されたと感じることになっていないか注意が必要です

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