医薬品評価委員会 2020-52 治験国内管理人が選任された治験での契約手続きについて

関連分類:治験契約手続き

初回公開年月:2021年04月

質問

下記のような運用での治験の依頼がありました。

  • 治験依頼者 海外製薬会社 → A社とします
  • 治験国内管理人 A社の国内関連会社 → B社とします
  • 治験依頼者代理人 国内所在のCRO

CROにはA社の代理として治験依頼者業務を遂行することに関する委任状があります。CROとB社間には委託等の契約はなく、A社からの委任状に、CROがB社の申請書類の提出をするように明記されているとのことです。なお、B社には契約の権限がないとのことです。

GCP第15条には、治験国内管理人に治験の依頼に係る手続きを行わせなければならないと明記されていますが、以下のような形態で契約することは問題ないのでしょうか?GCP第15条からすると治験国内管理人ではないものが治験に係る手続きを行っていることになるかと思いますが、治験に係る手続きの中に契約は含まれないのでしょうか?

契約書の署名/記名・押印欄

住所

治験依頼者代理人

住所
CRO名
代表者(押印)

製薬協見解

治験国内管理人の責務につきましては、GCP第15条ガイダンス1において「・・・治験国内管理人は、治験の依頼の基準に従い、本邦内における治験の依頼に係る一切の手続を行う・・・」と規定されており、この「一切の手続き」にはGCP第13条に基づく実施医療機関との治験契約の締結も含まれます(GCP第57条)。一方、実施医療機関との治験契約者については、GCP第13条第1項ガイダンス2に規定があり、実施医療機関、治験依頼者及び開発業務受託機関の間で合意があり、かつ、実施医療機関における治験の実施に関する業務が円滑に実施できる場合にあっては、三者契約、実施医療機関と治験依頼者との二者契約、実施医療機関と開発業務受託機関との二者契約のいずれでも差し支えないものとされています。GCP第13条第1項ガイダンス2では治験国内管理人が係るケースについては述べられていませんが、これらの規定とその考え方を踏まえますと、治験国内管理人を加えた四者間で合意があれば、ご質問のような形態の契約でも差し支えないものと考えます。

ただし、治験国内管理人は、規制当局への治験の届け出、規制当局への治験に係る副作用等の報告を含め、当該治験の利害関係者に対する治験依頼者の代理人としての責任を有していますので、報告・問題解決ルートを含め、治験国内管理人が責務を果たすに足る手順が確立されていることが前提となります。

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