医薬品評価委員会 2017-35 被験者への説明文書改訂点の別冊

関連分類:同意の取得

初回公開年月:2017年12月

質問

GCP第54条第2項に関連して、被験者の意思に影響を与える可能性のある新しい情報を治験責任医師に提供したところ、「説明文書の改訂では変更点のみをまとめた別冊(同意文書含む)を作成し、治験参加中の被験者に対してはその別冊のみで説明し、文書同意を取得したい」と要望がありました。本件のGCP上の適否についてご教示下さい。

経緯・理由

  • 数箇所の変更のみで20ページを超える説明文書を改訂するケースがあり、被験者にとって改訂箇所がわかりづらい。
  • 本治験は組み入れ期間が終了しており、新しく被験者が参加することがないため、参加中の被験者に配慮して、伝えるべき新しい情報のみを記載した説明文書・同意書を提供したい。

本件における最新版の説明文書は、「本体(改訂前の説明文書)+別冊」の2種類となります。次々回の改訂では別冊1、別冊2の3種類と、増えていきます。GCP第51条の内容は本体が満たしており、既に文書による同意を得ているため、新しい情報の説明の際は別冊のみで問題ないと考えています。なお、GCP第54条第3項の「自由意思」の観点から、GCP第51条第1項第8号及び第9号に該当する自由意思に関する内容は別冊に記載する予定としております。

製薬協見解

被験者への説明文書にはGCP第51条で規定されている事項が全て記載されている必要がありますので、原則的には、説明文書は一冊の文書であるべきと考えます。

しかしながら、情報量が多い等の止むを得ない理由により、一部の記載事項を別冊とすることは致し方ないものと思われます。ただし、この場合におきましても、本体と別冊で一体の説明文書ですので、説明文書の本体または別冊にその旨を明確に記載する必要があると思われます。また、同意書へ被験者の治験参加継続の意思を記録する場合におきましても、本体及び別冊の両文書に対して同意されたことが明確である必要があります。

いずれにしましても、説明文書をこのような形態にする場合には、被験者にとってはどのような説明方法がベストなのか、また、被験者の手元にある説明文書としてどのような構成が読みやすく理解しやすいのか、被験者の立場に立ってご判断いただければと思います。

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