医薬品評価委員会 2010-12 治験審査委員会における「報告」の位置づけ(その3)

関連分類:治験審査委員会

初回公開年月:2010年06月

質問

『治験審査委員会における「報告」の位置づけ』につきまして、過去にもQ&A(2009-122009-27)がございましたが、『審査方法としましては、会議による審査と迅速審査とがありますが、「報告」という審査方法はGCP省令に示されていません。』という記載は、以下の上記のどちらになるのでしょうか。

  • 審査方法は会議による審査と迅速審査のみしかなく、報告という審査方法はない
  • 報告という審査方法は示されてはいないが、「してはいけない」という訳ではない

現在、弊社にて対応しております治験審査委員会では、治験実施計画書の別紙改訂や被験者募集のwebサイトのトップページ変更につきましては、内容が施設の追加やモニターの追加削除、ページのデザイン変更などで軽微な変更ですので、審議はせず委員の皆様へは「このように変更がされておりますのでご確認下さい」として治験審査委員会の中で「ご報告」という形で対応しております。

弊社の見解としては、後者の「報告という審査方法は示されてはいないが、「してはいけない」という訳ではない」としておりますが、間違っているのでしょうか。

見解が前者となる場合、また、過去の見解2009-27の回答で「実施医療機関の長が治験審査委員会の意見を聞く必要がないと判断する場合には、当該事務的事項の変更について委員に報告する必要はないものと思われます。」と記載がありましたので、やはり治験審査委員会において「報告」はせず、軽微な変更の案件は全て迅速審査にて対応という事になるのでしょうか。

製薬協見解

GCP第32条第1項に規定されていますように、治験審査委員会は「実施医療機関の長から意見を聴かれたときは、審査の対象とされる治験が倫理的及び科学的に妥当であるかどうかその他当該治験が当該実施医療機関において行うのに適当であるかどうかを、資料に基づき審査し、文書により意見を述べなければならない」という責務を負っている委員会です。

したがいまして、ご質問にあるような軽微な変更事項について、実施医療機関の長が治験審査委員会の意見を聞く必要がないと判断する場合は、治験審査委員会に「報告」する必要はなく、治験審査委員会事務局がこれらの変更事項を把握するために記録を保存することでよいと考えます。

治験審査委員会の業務の効率化の観点からも、治験審査委員会の委員に事務的事項を周知するような「報告」という方法は必ずしも必要ないと考えます。

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