医薬品評価委員会 2009-27 治験審査委員会における「報告」の位置づけ(その2)

関連分類:治験審査委員会

初回公開年月:2010年01月

質問

治験審査委員会における「報告」の位置づけについてご意見をお伺いいたしたいと存じます。

質問1

GCP第28条によりますと、治験審査委員会は、治験について倫理的及び科学的観点(倫理的、科学的及び医学的・薬学的観点)から審議及び評価することを使命としていると考えられます。事務的事項(例:治験依頼者の組織・体制の変更、実施医療機関の名称・診療科名の変更、実施医療機関及び治験依頼者の所在地又は電話番号の変更、治験責任医師の職名の変更、モニターの変更)については、治験審査委員会が倫理的及び科学的観点から審議及び評価するに相応しい項目とは考え難いですがいかがでしょうか。

質問2

質問番号2009-12のご見解において、「報告」という審査方法はGCP省令に示されていないとの記載がございますがそのとおりと思います。「報告」は「審査」とは違うと考えられます。

GCP第28条第2項運用通知2(3)<4>において、迅速審査が行われた場合、次回に開催される治験審査委員会へ「報告」する旨のことが記載されております。同様に、治験審査委員会事務局が事務的事項の変更についての最新の文書を実施医療機関から入手した場合、治験審査委員会の委員にご承知おき頂くという観点から、治験審査委員会において「報告」するということは妥当な対応と考えられますがいかがでしょうか。

製薬協見解

質問1

GCP第28条第2項ガイダンス2(3)<4>としまして「治験審査委員会により既に承認された進行中の治験に関わる軽微な変更に関して、迅速審査と承認を行う場合の条件(迅速審査の適用範囲、判断する者、審査方法、次回に開催される治験審査委員会への報告等)を定めること。」と記載されています。また、実施中の治験にする継続審査についてはGCP第31条に規定されています。GCP第31条第2項ガイダンス3にありますように、「治験の実施に影響を与えるもので、被験者に対する精神的及び身体的浸襲の可能性があり、被験者への危険を増大させる変更」については治験審査委員会の意見を聴くべきであると記載されています。このようなことから、事務的事項の変更については、通常、治験審査委員会の審査を必要としないものと考えますが、実施医療機関の長がGCP第28条及び第31条に照らして治験審査委員会の意見を聴く必要があると判断された場合には、治験審査委員会による審査が行われることになります。

質問2

治験審査委員会に課せられた責務から考えますと、実施医療機関の長が治験審査委員会の意見を聞く必要がないと判断する場合には、当該事務的事項の変更について委員に報告する必要はないものと思われます。

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