医薬品評価委員会 副作用調査に用いる詳細調査票(製薬協モデル)

ファーマコビジランス部会

2012年2月

製薬企業が医療関係者から副作用の連絡を受けた際などに、詳細調査票の記入を医療関係者に依頼する場合がありますが、この詳細調査票が各社各様であるため、医療関係者にとっては、記入に際してわかりにくい、煩雑であるなどの意見が以前からございました。製薬協医薬品評価委員会PMS部会として、このような状況を少しでも改善するために、調査を依頼する製薬企業側が各社の詳細調査票を可能な限り統一し、記入しやすく、複数の企業の副作用調査にも相互利用可能とし、副作用調査にご協力頂く医療関係者の負担を軽減することを目的に、詳細調査票の標準化を検討してまいりました。
検討の結果、一部の特殊な薬剤や限定した診療科向けの詳細調査票では特別な項目が存在しましたが、各項目の順序やレイアウト、項目の表現や記入方法などが異なっているものの、評価や薬事法に基づく規制当局への報告に必要な項目は、共通して含まれており、調査項目に大きな差は認められませんでした。以上より、これらを整理して詳細調査票の標準化を検討し、今般、副作用調査に用いる詳細調査票(製薬協モデル)を部会資料として取りまとめました。
本成果を「第14回 日本医薬品情報学会総会・学術大会(平成23年7月開催)」において発表したところ、各社が詳細調査票を可能な限り共通化することに関して賛同を頂き、PMS部会会員会社以外の製薬企業や医療機関の先生方から詳細調査票(製薬協モデル)の公開のご要望を頂きました。特に医療機関の先生からは、電子カルテから必要な情報を自動抽出できる仕組みの構築など必要な情報の提供の効率化が可能となり、調査に協力しやすくなるとのご意見を頂きました。
本モデルの幅広い採用は、複数の企業から副作用調査の依頼を受けた際には相互に活用しやすくなり、医療関係者の負担軽減にも繋がると考えられますので、PMS部会会員内資料と止めず、この度、製薬協のホームページを通じて、広く公開することになりました。
各製薬企業におかれましては、本資料の公開に至った主旨をお酌み取り頂き、各社の詳細調査票に本モデルをご採用頂き、詳細調査にかかる医療関係者の作業の効率化にご協力願います。
特にPMS部会としては、2014年3月までの2年間での普及を推奨しておりますので、ご協力の程、重ねてお願いいたします。

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