医薬品評価委員会 医療技術評価における多変量メタアナリシスと代替エンドポイント

データサイエンス部会

2023年5月

本邦では2019年より医薬品及び医療機器の価格調整を目的として,費用対効果評価制度が本格導入された.費用対効果を検討するにあたっては,評価対象技術の比較対照技術に対する追加的な有用性をシステマティックレビューによって評価する必要がある.その際,評価対象技術と比較対照技術を直接比較したエビデンスがない場合には,ネットワークメタアナリシス等による間接比較を行う.本タスクフォースでは,英国NICEのDecision Support Unitが公表したTechnical Support Document(TSD)のNo. 1~7をもとに報告書「NICE TSD Evidence Synthesisシリーズの紹介:ネットワークメタアナリシスを中心として」を作成し,2020年にリリースした.本報告書では,その続報である,ベイズ流の枠組みによる複数のエンドポイントに対してメタアナリシスを拡張した多変量メタアナリシス,その応用である代替エンドポイントに関連した方法論を扱うTSD 20を紹介する.これらは,代替エンドポイントのエビデンスは得ているが,真のエンドポイントのエビデンスが得られていない段階で新規の薬剤の医療技術評価を行う場合や,複数のエンドポイントを用いて経済モデルを構築する場合により多くのエビデンスを活用するといった際に有用なアプローチである.

日本製薬工業協会 医薬品評価委員会
データサイエンス部会 2022年度継続タスクフォース7

医療技術評価における多変量メタアナリシスと代替エンドポイント (1.5 MB)

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