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会員企業アンケート調査

【偽造医薬品に関する会員会社アンケート調査】

 製薬協では会員会社を対象とした偽造医薬品に関するアンケート調査を定期的に実施し、会員会社における偽造医薬品対策の実態を把握しています。2012年に第1回調査、2014年に第2回調査、2018年に第3回調査を実施しました。
第1回偽造医薬品に関する会員会社アンケート調査結果 (調査期間:2012年9月14日から10月12日、有効回答数:67社/70社)
第2回偽造医薬品に関する会員会社アンケート調査結果 (調査期間:2014年11月13日から12月10日、有効回答数:53社/72社)
第3回偽造医薬品に関する会員会社アンケート調査結果 (調査期間:2018年1月26日から2月23日(金)、有効回答数:49社/72社)
 分析結果からは、偽造医薬品の被害状態の違いにより、各社における取り組みや問題意識の高まりの違いが窺えるとともに、偽造医薬品の対策や今後の方向性についても示唆に富む内容が得られました。今後、アンケートの分析結果をもとに、製薬協及び会員企業は、ステークホルダーとの連携を視野においた具体的な展開策を見出していき、偽造医薬品の撲滅に向けて取り組んでいきます。

[第3回アンケート調査 エグゼクティブサマリー]

1.偽造医薬品対策に取り組むための組織体制

–偽造医薬品対策に取り組んでいる企業は増加している-
 日本国内で偽造医薬品対策に取り組んでいる部門があると回答した『内資』企業は、第1回アンケート(2013年)の約35%、第2回アンケート(2015年)の約46%から約62%に上昇している。その偽造医薬品対策に関わる部門として、品質保証部門、信頼性保証推進部、生産部門などの「生産・品質関連部門」、営業部門、薬事部門や法務部と回答した企業が多かった。
 偽造医薬品対策を主管する部門は、日本国内、グローバルともに「生産・品質関連部門」またはグローバル・セキュリティやプロダクトセキュリティなどの「セキュリティ関連部門」と回答した企業が多かった。
 『外資』企業では「セキュリティ関連部門」を設置していることが多かった。グローバルでは多領域の偽造医薬品が多くの国・地域で確認されているため、保健機関・捜査機関との連携、刑事裁判対策などの偽造医薬品対策を横断的に担える「セキュリティ関連部門」を設置していると考えられる。

2.確認された偽造医薬品の実態(過去2年間)

-日本国内の偽造医薬品は、性機能改善剤だけではない-
 日本国内において、今回のアンケートで初めて経口避妊薬の偽造医薬品が確認された。性機能改善剤の偽造医薬品は第1回(2013年)、第2回(2015年)のアンケートでも、真菌症治療薬の偽造医薬品は第2回(2015年)のアンケートでも確認されていることから、継続的に偽造医薬品が存在していることが確認された。
 グローバルでは、複数の抗がん剤、抗精神病剤、抗生物質、降圧剤および糖尿病治療薬の偽造医薬品が確認されているように、売上上位にランクする領域が偽造医薬品のターゲットにされやすいと推察される。大型製品を扱う会社並びに大型製品の上市を控えている会社にとっては、予防策(製品対策:偽造防止・識別機能の検討・導入やサプライチェーンセキュリティなど)の実施が課題になると言えよう。
 偽造医薬品の確認件数の大半は、国内、グローバルを問わず性機能改善剤のものであった。国内については、その特性上(保険適用外、専門医を受診し難いなど)から個人輸入代行業者を介して海外から個人輸入されるケースが多いこと、非正規ルートを通じ偽造医薬品がそれらのケースに紛れ込むこと、そして、その偽造医薬品が日本の税関による水際措置(輸入差止措置)で摘発されていることが要因と考えられる。

3.偽造医薬品による健康被害

-重篤な副作用を引き起こした報告もある-
 日本国内では、「性機能改善剤」の偽造医薬品の存在を確認したと回答した4社のうち3社で「軽微な副作用と考えられるもの」が確認された。グローバルでは、「重篤な副作用と考えられるもの」が「糖尿病治療薬」の偽造医薬品で確認された。また、「重篤な副作用ではないが、軽微な副作用ではないもの」は「糖尿病治療薬」と「性機能改善剤」の偽造医薬品で、「軽微な副作用と考えられるもの」は「制酸剤」の偽造医薬品で確認されている。引き続き偽造医薬品は患者の健康の大きな脅威となっていると考えられる。

4.偽造医薬品に対する取り組み

-「社内体制整備」、「公的機関・業界団体との連携」が強化されている-
 実際に偽造医薬品の存在を確認した企業では、税関への輸入差止申立、試買・分析(真贋判定)、保健機関・捜査当局と協力しての摘発や、販売会社との連携といった取り組み・対策が行われている。
全会員企業を対象とした設問では、日本国内において『社内体制整備』(「責任部署と関連部署の明確化」、「偽造医薬品事案発生時の報告ルート・情報共有ルートの明確化」および「社内(グループ会社を含む)手順書の制定・周知」)を強化している企業が多数あることが確認された。これは、2017年に発生したC型肝炎治療薬の偽造医薬品国内流通事案の影響によることが推察される。日本国内、グローバルともに「製品対策」を施していると回答している企業は多数であるが、日本国内で「強化している」「やや強化している」と回答した企業は約18%でありグローバルの30%を大きく下回っている。第2回アンケート(2015年)と同様、業界団体(日薬連、製薬協、IFPMA、PSI(pharmaceutical security institute)等)から偽造医薬品に関する情報を受け取る会社が多くみられ、業界団体が果たす役割の重要性がうかがえた。また、厚労省、警察、税関等との情報共有・連携、プレスセミナー開催、買い上げ調査、大学との連携など、積極的な対策を行っている企業もあった。
 日本国内で偽造医薬品を確認した企業は少数であるが、大多数の会員企業においては、それら企業およびグローバルで取り組みを参考にして、引き続き自社製品に何らかの予防対策、社内体制整備を行った上で、製薬企業・業界団体との連携等により偽造医薬品に係る情報収集を怠らない姿勢を取っていくことが重要と考えられる。

5.イベント、制度改正などに対する意識

‐偽造医薬品の国内流通事案により80%の企業に問題意識の変化が‐
2017年に発生した「C型肝炎治療薬の偽造医薬品国内流通事案」について約80%の企業が「問題意識が高まった」と回答した。それに関する「厚生労働省による医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 施行規則の一部を改正する省令等の施行について(医薬品の偽造品流通防止のために薬局開設者、卸売販売業者、店舗販売業者及び配置販売業者が遵守すべき事項のルール化)も問題意識に変化を与えた。日本国内の流通ルートで偽造薬が見つかったことで患者や医薬品業界の関係者に大きな衝撃を与え、テレビ・全国紙等でも大きく取り上げられたが、あらためて本アンケートにより会員企業においても強い衝撃をもって受け止められたことが確認された。

[まとめ]

 偽造医薬品の実態は、複数の治療領域において確認され、その被害は患者への健康被害にまで至っていることが確認された。会員企業には、偽造医薬品対策を先行する企業の取り組みやグローバルにおける対策等を参考にし、被害をどう防ぐか、被害が起きた時にどうするかの在り方を見直す機会とされたい。また、今後の動向について注視する必要があるとともに、会員企業ならびに関係者が一丸となって偽造医薬品の拡大防止・根絶に向けて、情報報共有するほか、共同で施策を行っていく等の対策が必要である。

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