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偽造医薬品対策

途上国では医薬品流通量の10~30%が偽物であると報告されるなど、患者さんの安全が大きく脅かされています。国内でも、個人輸入などによる偽造医薬品の流入と健康被害が確認されています。

 偽造医薬品※1の脅威は、世界的に増大しており、その流通量は750億ドル※2にも達しているといわれています。途上国では医薬品流通量の10~30%が偽物であると報告されるなど、患者さんの安全が大きく脅かされています。故意に、認可された本物の医薬品のように偽って、偽造医薬品を製造販売することは、治療効果が得られないばかりでなく、予期せぬ副作用により身体障害や死に至るといったリスクをもたらします。
日本においても以前からインターネットを介した海外からの個人輸入などによる偽造医薬品の流通ならびに健康被害が確認されています。税関による医薬品の知的財産侵害物品の輸入差止めは、2017年度迄の5年度合計で23万2000点を超え※3で、依然として多くの偽造医薬品が輸入されている実態が明らかになっています。
また、2017年には日本国内においてもC型肝炎治療薬の偽造医薬品の流通が発見され、偽造医薬品問題がクローズアップされ、その対策の議論の機運が高まりました。

 製薬協は、2012年7月に、違法インターネット薬局等からくる偽造医薬品の取り締まり強化に向けた共同声明を、他協会(IFPMA, PhRMA, EFPIA)とともに発表しました。また、偽造医薬品に関する会員会社アンケート調査を定期的に実施することで、会員会社における偽造医薬品対策の実態把握に努めています。

厚生労働省は、①2013年に一般の人々の啓発と偽造医薬品等に関する情報収集のためのウェブサイト「あやしいヤクブツ連絡ネット」を開設しました。②2014年4月には偽造医薬品・指定薬物対策推進会議を開催し、偽造医薬品や指定薬物等に関する情報収集、広報・啓発、個人輸入の制度運用の適正化の方策について、関係者の協働による取り組みを推進することを発表しています。③2014年から国内外のインターネット販売サイトに対する監視を⾏う委託事業を開始し、2017年2月までの約3年度で無承認医薬品を取扱う2,327サイトを削除しています※4。④2017年に「医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会」を開催し、偽造医薬品の流通を防止する観点から、製造から販売に至る一貫した施策のあり方について検討を行い、その最終取りまとめ※5が公表されました。
 税関に関しては、偽造医薬品対策の一つとして、知的財産権、特に商標権侵害に対する日本の税関を含む各国税関による取り締まりは、多数の実績があります。
警察では、従来から偽造医薬品の取締りを行い、押収や逮捕で実績をあげています。また、国際刑事警察機構などが行う、インターネット上の違法医薬品広告・販売に対する国際的な共同取締りであるパンゲア作戦に継続して参加しており、2017年9月には、日本を含み過去最多となる123か国の197機関が参加し、過去最多の2,500万件の薬物を押収し、金額で5,100万米ドル相当にのぼりました※6
製薬協およびその会員企業は、今後も、偽造医薬品問題の啓発や、厚労省、税関、警察などとの協力を通じ、偽造医薬品の流通を防ぐことにより、日本及び発展途上国の患者さんの健康維持に貢献してまいります。
 なお、偽造医薬品とは異なりますが、我々は、サブスタンダード(規格外の)医薬品も課題の一つと考えています。承認され合法的に製造されたものの、品質基準を満たしていないサブスタンダード医薬品は、重大な健康上のリスクをもたらす恐れがあります。製薬協は、世界中で、適切な品質基準を満たした医薬品が使用されるべきと考えます。発展途上国において、必要とされる基準を満たすための技術的な能力が不足している場合には、官民連携等の手法を用いて、これらの問題を解決するために取り組んでいきます。

※1
WHOは IMPACT会議(ハマメット、チュニジア、2008)において偽造医薬品に関する協議を行いました。また、2017年のWHO総会において「偽造医薬品」の定義が議論され、WHOは同一性、組成や出所起源に関して、故意に/不正に偽造表示された医薬品を(Falsified Medicine)と定義しました。
※2
Growing threat from counterfeit medicines(Bulletin of the World Health Organization, Volume 88, Number 4, April 2010, 241-320)
※3
平成29年の税関における知的財産侵害物品の差止状況(財務省)
※4
※5
※6
会員企業の取り組み事例
インターポール(国際刑事警察機構)との協働による偽造医薬品撲滅活動への参画
(2013~2015年)
世界の製薬企業29社がインターポールの偽造医薬品撲滅活動に対し資金助成し、啓発活動、司法当局の取り締まり、偽造医薬品発見のための能力開発等を行っています。製薬協会員企業として、アステラス、中外、第一三共、大日本住友、エーザイ、大塚、塩野義、武田が参画していました。
製薬防護研究所(PSI : Pharmaceutical Security Institute)との協働による偽造医薬品防止のための啓発活動および撲滅活動への参画 世界の製薬企業33社が製薬防護研究所(PSI)の偽造医薬品対策活動(情報収集、法執行との連携、啓発活動)に対し資金助成しています。製薬協会員企業として、アステラス、中外、大日本住友、エーザイ、大塚、武田が参画しています。

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